彗星のごとく現われたストライカー! U-19日本代表・横山歩夢が高校時代の“学び”を胸にさらなる飛躍へ

2022年04月28日 松尾祐希

関東大学選抜との強化試合で2ゴールの活躍!

U-19日本代表の横山は、関東大学選抜とのトレーニングマッチで2得点をマーク。持ち前のスピードで存在感を発揮した。写真:松尾祐希

 高校卒業から約1年。東海大高輪台初のJリーガーとなったFW横山歩夢(松本)は飛躍の時を迎えている。

 かつて千葉や横浜FCなどでプレーした博敏氏を父に持つサラブレッド。「先輩はお手本になる存在で、今まで見た選手の中で一番すごかった」と高校の後輩たちから憧れを抱かれる存在だったが、目立った活躍はしていない。最後の選手権も東京都予選の決勝で敗れている。選抜チームでプレーしたのは、東京都選抜として国体に出場した高校2年次だけ。早生まれで16歳以下のチームに参加する資格を持っていたため、出場できた。

 そんな横山が、U-19日本代表に初招集され、インパクトを残した。

 2年後のU-20ワールドカップを目指すU-19代表は、国内合宿最終日となる4月27日にトレーニングマッチを行ない、45分×3本形式で関東大学選抜と対戦。大学1、2年生で構成された年上の相手に対し、序盤から押し込まれて2−5で敗れた。スコアはもちろん、内容でも完敗。攻守ともに課題を多く残した。
 
 不安が残るゲームとなったなかで、特長を存分に発揮したのが横山だ。

「(今回のメンバーで)チームでレギュラーを取って、日々勝負にこだわったゲームを経験しているのは彼ぐらい。持っているものを出してくれた」

 冨樫剛一監督も賛辞を惜しまなかったストライカーは、2得点の活躍を見せた。

 50メートルを5秒台で駆け抜けるスピードを持つ横山は、0−3で迎えた2本目の23 分から出場。メンバーを大幅に入れ替えたタイミングで投入されると、持ち前の速さで流れを一変させる。

 2トップの一角で起用され、最終ラインの背後に何度も抜け出す。相手に脅威を与え続けると、41分に右MF屋敷優成(大分)の折り返しに合わせる。一度はポストに阻まれたが、泥臭く押し込んでネットを揺らした。

 3本目もFWでプレーすると、31分に自身の特長を生かしてゴールを奪う。鈴木章斗(湘南)のスルーパスに反応し、一気に加速。相手を振り切ると、最後はGKの股下を抜く冷静な一撃で2点目を決めた。
 

次ページ「謙虚に取り組む。高校時代にそういう姿勢を教わった」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事