【J1採点&寸評】広島×柏|クリスティアーノが圧巻のハットトリック! 柏が完勝を飾り、広島を首位から引きずり下ろす

2015年08月17日 小田智史(サッカーダイジェスト)

スタメン復帰の塩谷が2失点に絡み、攻撃陣も決定打を欠く。

【警告】広島=なし 柏=茨田(14分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】クリスティアーノ(柏)

【試合内容】
 試合は開始早々に動く。3分、敵陣でボールを奪取した柏は、小林のパスをクリスティアーノが冷静に決め、幸先良く先制する。その後は中盤でのポゼッションの攻防となるが、両者とも連係に精度を欠き、チャンスを作れない。ホームの広島は30分過ぎから右ストッパーの塩谷を中心に攻勢を強めるも、相手のブロックを打ち崩せず、1点ビハインドで前半を折り返す。
 
 広島は後半頭から浅野を投入して勝負に出る。カウンター、サイド攻撃、ミドルシュートと9本のシュートを放つも、ゴールを割れず。逆に63分、77分とクリスティアーノに立て続けに得点を許して万事休す。広島が第2ステージと年間勝点の首位の座から陥落したのに対し、柏は2連勝で勝点を15に伸ばした。
 
【チーム採点・寸評】
広島 
ボールポゼッションで相手を上回りながら、パスミスが多く、攻撃に軸足を置けず。2試合続けて引いて守る相手にノーゴールに終わる完敗で、今後に不安を残す試合となった。
 
柏 
序盤からブロックを敷くゲームプランが奏功。チームディフェンスの「組織」とクリスティアーノの「個」が上手くマッチし、リーグ戦で3年ぶりとなる広島戦での勝利を挙げ、第2ステージの勝点でも広島に並んだ。
 
【広島|採点・寸評】
GK
1 林 卓人 5
1失点目はクリスティアーノのシュートに反応するが、後ろに流れたボールはラインを割り、2失点目は正面のシュートを目測を誤り失点。攻撃に転じる際のビルドアップでもミスが目に付いた。
 
DF
4 水本裕貴    5.5
局面では相手の動きを読んで撥ね返していたが、攻守でアクセントを付けられず、前節で途絶えたフル出場記録の新たな一歩というスタートも霞んだ。
 
5 千葉和彦    5.5
序盤は縦につけるパスでチャレンジする姿勢が見られたものの、相手の寄せに思うような展開ができず。守備でも裏を取られて3失点目を喫した。
 
33 塩谷 司    4.5
第1ステージ15節以来の先発。クロスやミドルシュートで佐々木とは違う色を出した半面、クリスティアーノへの寄せが遅れて2失点に絡んだ。試合後には「これが自分の今の実力」と反省の弁。
 
MF
6 青山敏弘 5.5
縦への強い意識とは裏腹に、ボールは持っても効果的なパスコースが見つからず持ち味は半減。両チームトップの11.58キロを走破したが、悔しい結果に。
 
8 森﨑和幸 5.5
巧みなボール奪取が見られる場面もあったが、チーム全体が相手のパスワークに揺さぶられ、守備から攻撃への切り替えが機能せず。
 
9 ドウグラス 5
スルーパスやサイドチェンジで周囲とイメージが合わず。セカンドボールへの反応も遅く、最後はパワープレーに頼るしかなかった。
 
18 柏 好文 5
30分過ぎからギアを上げたものの、キム・チャンスの徹底したマークに悪戦苦闘。終盤には3失点目につながる致命的なパスミスを犯した。
 
24 野津田岳人 5
自己最長の4戦連続スタメン出場。プレースキックやシュートシーンなど見せ場が訪れながらモノにできず、前半で同期の浅野に出番を譲った。
 
27 清水航平    5.5
連戦要員としてはまずまずの出来。1対1からクロスまでは持って行くことができたが、相手の最終ラインに撥ね返されてチャンスは作れず。
 
FW
11 佐藤寿人 5.5
裏のスペースへの飛び出しやこぼれ球をしたたかに狙って駆け引きを続けたが、ゴールはまたもやお預け。久々のフル出場を果たしたことが収穫か。
 
交代出場
FW
29 浅野拓磨 5.5
久々のシャドー出場。後半開始早々は積極性あふれるプレーでチームを鼓舞したが、ギャップでボールを受ける課題の部分を露呈した。
 
MF
14 ミキッチ 6
途中出場でキレのある突破を見せるも、肝心のクロスが前線に合わず。攻撃が機能しない時間帯が続き、フラストレーションを溜めた。
 
監督
森保 一 5
「走って戦ってひっくり返す」とのハーフタイムでの指示どおり、浅野、ミキッチとカードを切ったが、混迷する攻撃陣は目を覚まさなかった。

次ページクリスティアーノが個の力を見せつけ、敵地で完勝を収める。

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