マインツ武藤は「ほろ苦デビュー」 チームは昇格組に敗れ黒星発進、自身も見せ場なし

2015年08月16日 遠藤孝輔

岡崎とガイスが抜けた穴を埋め切れず。

ホームで昇格組のインゴルシュタットに敗れたマインツ。クレメンス(手前)もがっくり……。78分から交代出場した武藤も見せ場を作れずに終わる。 (C) Getty Images

 マインツの多難な前途を予感させる開幕戦となった。昇格組のインゴルシュタットに、ホームで0-1とまさかの敗北……。
 
 浮き彫りになったのは、岡崎とガイスが抜けたダメージの大きさだ。岡崎の代役を担ったCFニーダーレヒナーは最前線でボールを収められず、ガイスに代わる新戦力の司令塔フライは周囲との連携不足からか、なかなかボールに絡めない。
 
 攻撃の形をまるで見出せないチグハグなマインツは、1部初挑戦ながら積極的に前に出てきたインゴルシュタットの勢いに飲まれ、6分までに2本のシュートを許す苦しい立ち上がり。
 
 時折右サイドアタッカーのクレメンスやトップ下のマッリの個人技で、敵陣深くまで攻め込んだが、27分のチャンスはハイロが力のないシュートでフイにした。
 
 マインツが流れに乗りかけたのは豊富な運動量を武器に、試合を優勢に進めていたインゴルシュタットに疲れが見えはじめた後半だ。
 
 57分、左サイドを突破したハイロが好クロスを供給すれば、1分後にはクレメンスが右サイドの最深部に侵攻し、最後はマッリの折り返しからニーダーレヒナーがシュート。しかし、相手GKエズジャンの好セーブに阻まれて、続けざまの好機を仕留められなかった。
 
 すると66分、自陣深い位置で簡単にボールを回され、インゴルシュタットのCFヒンターゼーアに痛恨の先制点を献上。その後は引いて守る意識を強めた敵を崩せず、ブンデスリーガ初参戦の格下に歴史的な勝利を許してしまった。
 
 攻撃のリズムを刻んでいたガイス、前線で巧みなポストプレーを見せていた岡崎を失ったマインツは、攻撃のメカニズムを抜本的に見直す必要があるだろう。
 
 最後にニーダーレヒナーに代わり、78分からCFに入った武藤について。交代直後に持ち味であるスピーディーなドリブルを仕掛けて、ホームの観衆を沸かせたものの、スペースのない最前線で孤立し、ボールに触る機会がほとんど訪れなかった。
 
 次節以降、チーム状態が芳しくないマインツの攻撃を活性化できるか注目だ。
 
文:遠藤孝輔
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