「なぜ沈黙している? 模範だったのに…」ウクライナのエースがロシアにいる“裏切り者”との通話を明かす「もうあなたは僕の人生に存在していない」

2022年04月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

「どうやら彼は恐れている」

ティモシュク氏(左)との会話を明かしたヤルモレンコ(右)。(C)Getty Images

 ウェストハムに所属するウクライナ代表FWアンドリ―・ヤルモレンコが、かつて代表で共闘したアナトリー・ティモシュク氏との会話を明かした。ウクライナ・メディア『SPORT』が伝えている。

 ウクライナ代表の元キャプテンで、同国の最多キャップ(144試合)を誇るティモシュク氏は先月12日、ウクライナ・サッカー協会(UAF)から、「コーチングライセンスの剥奪」「タイトルの剥奪」「代表の記録からの抹消」「ウクライナでのサッカー活動の生涯禁止」などの極めて厳しい処分を受けた。

 現在、ロシアのゼニト・サンクトペテルブルクでアシスタントコーチを務めているにもかかわらず、ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まった後も沈黙を貫き、「侵略者のクラブとの協力を止めず、侵略者のために働き続けている」ためだ。

 現代表のエースであるヤルモレンコは、ウクナイナですっかり"裏切り者"として扱われているティモシュク氏と連絡を取ったという。

【画像】元夫のティモシュク氏を糾弾したナブロトスカさん
「私と一緒にプレーした時、トリヤ(ティモシュク)はプロフェッショナリズムの手本だった。だから、戦争が勃発したとき、私は誰が話し、誰が沈黙したのかを知って驚いた」

 ティモシュク氏について、まずそう打ち明けたヤルモレンコは「夜はどうやって眠るんだ」とメールを送ると、「君のようには眠らない」と返信があったという。

 そして、ティモシュク氏のほうから電話が掛かってきたと明かしている。

「なぜあなたは沈黙しているんだ? あなたは私にとって模範だった。だが、もう私の人生に存在していない」

 ティモシュク氏にそう告げたというヤルモレンコは、会話が2分で終わったと語り、こう続けている。

「どうやら彼は恐れている。何かを言ったらどうなるかわからない。彼には妻と子供がいて、彼らはロシア人だ。このことは完全に理解している」

 そう理解を示したうえで、32歳のストライカーは、ティモシュク氏に「あなたには、ウクライナに親戚や亡くなっている友人がいる。あなたは安全に家族を連れて行き、世界中のどこにでも住むことができる。あなたの立場を表現してほしい」と呼びかけた。

 ヤルモレンコは、最後にこう締めくくっている。

「彼は世界のどこにでも住むのにも十分なお金を稼いだと思う。彼がどうやってロシア人と一緒に暮らせるのか分からない。あなたの両親は反対側にいて、あなたは彼らが撃ち殺す側にいる。どうやって一緒に暮らすのかわからない」

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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