開幕直前 ブンデスリーガ「最新勢力図」 全18チームの力関係は? 王者バイエルンに迫るのは?

2015年08月14日 遠藤孝輔

絶対王者バイエルンと覇権争いを演じうるのは――。

前人未踏の4連覇を狙うバイエルンに迫るのは、どのチームか? (C) I’LL Products

 優勝争いの大本命はバイエルンだ。戦力、組織力、経験のすべてで他の追随を許さず、前人未到のリーグ4連覇に向けて、万全の態勢を整えつつある。
 
 もっとも、昨シーズン後半の成績はボルシアMG、ヴォルフスブルクに次ぐ3位。CL(チャンピオンズ・リーグ)との掛け持ちで疲労が蓄積する、後半戦の出来が偉業達成へのポイントとなりそうだ。
 
 この絶対王者と覇権争いを演じうるのは、ドルトムントとヴォルフスブルク。
 
 ドルトムントは昨シーズン7位と低迷したものの、ロイスら主軸が軒並み残留し、ポテンシャルは依然として高い。ドイツ屈指の智将と謳われるトゥヘル新監督による組織固めが、覇権奪還の成否を大きく左右するだろう。
 
 ヴォルフスブルクは開幕直前のDFLスーパーカップでバイエルンを破り、昨シーズンの2位躍進がフロックではなかったことを証明した。不動のエースであるデ・ブルイネの慰留に成功すれば、さらなる旋風を巻き起こす潜在能力は十分にある。
 
 日本人所属クラブに目を向けると、負傷中の内田が前半戦を棒に振りそうなシャルケも上位争いに加わるかもしれない。タレント力は宿敵ドルトムントと遜色がなく、ブライテンライター新監督によるチーム作りが焦点となっている。
 
 新監督の手腕が問われるのは、長谷部と乾がレギュラーに定着しているフランクフルトも同様だ。1年ぶりに呼び戻したフェー監督の下で、EL(ヨーロッパリーグ)出場権に勝点3届かなかった昨シーズンを上回る好成績を収められるか。
 
 むしろ期待値が高いのは、大迫が攻撃陣の柱となりつつあるケルンだろう。自慢の堅守はそのままに、得点力不足の課題を解決するようなら、小さくないサプライズを提供するかもしれない。
 
 ブンデスリーガ初参戦の武藤に注目が集まるマインツ、清武が新たに背番号10をつけるハノーファー、原口と細貝が定位置争いで後れを取っているヘルタ・ベルリン、酒井高徳が入団したハンブルクは、トップ10入りできれば御の字といったところ。
 
 マインツは得点源の岡崎と司令塔のガイスが揃って退団した痛手が気がかりで、他の3チームは土壇場で残留を決めた昨シーズンからの大きな上積みがない。過度の期待は寄せにくいところだ。
 
文:遠藤孝輔
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