【J1採点&寸評】柏×神戸|カウンターの応酬を制した柏が因縁の対決で2連勝を飾る

2015年08月12日 小田智史(サッカーダイジェスト)

SBの輪湖がチームを救う追加点を豪快に叩き込む。

【警告】柏=なし 神戸=チョン・ウヨン(10分)、石津(66分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】輪湖直樹(柏)

【試合内容】
 試合は序盤からプレス→カウンターの応酬となる。しかし、球際を制した柏が徐々に主導権を握る展開に。11分にボール奪取したクリスティアーノが工藤につなぎ、最後はエデルソンが冷静に流し込んで幸先良く先制。神戸もカウンターからミドルシュートで打開を図るもゴールは割れず、柏が1点リードして前半を折り返す。
 
 後半は一転して攻勢を強めた神戸ペースとなる。55分からわずか3分間で3度の決定機を迎えるも、判断ミスやポストに嫌われてチャンスをモノにできず。逆に、押し込まれていた柏はSB輪湖が豪快に追加点を叩き込んで流れを引き戻すと、最後まで統率された守備で相手の攻撃を撥ね返し、第2ステージで4度目となるクリーンシートを達成。勝点を12に伸ばした。

【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・6節
 
【チーム採点】
柏 6.5
連動した仕掛けとプレスがピタリとハマる。後半は押し込まれ、奪った後のパスミスも多いなど反省材料はあるものの、前節で崩壊した守備は最後まで統制されていた点は価値がある。
 
神戸 5
柏を上回るチャンスを作っていたことからも、カウンターに持ち込むプラン自体は間違っていなかった。しかし、フィニッシュの精度が低く、ある意味で"自滅"した格好に。
 
【柏|採点・寸評】
GK
21 菅野孝憲 6.5
高橋峻の強烈なミドルをはじめ、11本のシュートを浴びながら冷静にセーブ。5試合ぶりの出場で「柏に守護神・菅野あり」を示した。
 
DF
27 キム・チャンス 6
相馬とのマッチアップは五分五分。連係プレーが少なかった影響でクロスを上げるシーンもあまり見られなかったが、与えられた守備のタスクはこなした。
 
4 鈴木大輔 6.5
最終ラインを巧みに統率。CFへのくさびの対応、コースを切るカバーリング、空中戦をハイレベルにこなし、元同僚のレアンドロを苦しめた。
 
13 エドゥアルド 5.5
トラップミスからあわや失点の場面も。ビルドアップの精度に欠け、ひとりドタバタした印象だ。守備では身体を張っているだけに、安定感がほしい。
 
22 輪湖直樹 6.5
したたかに裏を突いてくる相手に対し、球際で激しく行って、きっちり仕留める。防戦一方になりかけていたチームの息を吹き返させる追加点は価値がある。
 
MF
17 秋野央樹 6
パスやキープを使い分けて相手のプレスをいなし、中盤・前線に展開。後半の押し込まれる展開でも、どう攻撃に転じるかが次のステップへの課題だ。
 
7 大谷秀和 6.5
アンカーの秋野にポジション取りを指示するなど、全体をマネジメント。終盤にはチームを引き締めるように果敢にプレスに出て、無失点で終えた。
 
25 小林祐介 6
フォアプレスとプレスバックを徹底し、攻撃のスピードアップを演出。成功はしなかったが、スルーパスのチャレンジも評価していい。
 
FW
9 工藤壮人 6
DFを引き付け、冷静にエデルソンのゴールを演出。タメを作るポストプレー、ワンツーやプレスなど連動したプレーでチームに貢献した。
 
11 エデルソン 6.5
J初先発は試合開始直後からエンジン全開。スタートポジションにとどまらず、臨機応変に動きながら攻撃に顔を出した。来日初ゴールは本人曰く「サポーターへのプレゼント」。
 
30 クリスティアーノ 6
対面の相馬と肉弾戦で激しく火花を散らす。素早い寄せになかなか前を向けなかったが、粘り強くアタックを続け、右サイドからチャンスを作った。
 
交代出場
MF
15 武富孝介 6
途中交代でフレッシュな分、SBをチェイシングしてケア。大仕事こそないが、スペースを埋めてバランスを取り、チームを落ち着かせた。
 
MF
8 茨田陽生 6
77分、こぼれ球に迷わず右足を振り抜きミドルシュート。球際でも身体を張ったプレーを展開し、アグレッシブさを前面に押し出していた。
 
DF
6 山中亮輔 6
第2ステージ初出場。普段より一列前のウイングの位置に入り、高い守備意識でそれまで押し込まれていた神戸のサイド攻撃を見事に撥ね返した。
 
監督
吉田達磨 6.5
エデルソンの先発起用が的中。武富、山中の投入で相手の攻撃をトーンダウンさせるなど、一手一手が効果的に機能した。前指揮官のネルシーニョ相手に2連勝を飾る。

次ページミスから失点し、巡ってきたビッグチャンスも逃す“自滅”ぶり。

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