「人々が死に続けている間は…」ウクライナ代表監督が6月のW杯プレーオフ開催に疑問符「私はキエフから去るつもりはない」

2022年03月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

「スコットランドと試合をしようとは思わない」

W杯プレーオフについて見解を明らかにしたペトラコフ監督。(C)Getty Images

 ロシアの軍事的侵攻が続くウクライナでは、今もなお戦火が途絶える気配はない。そんななか、同国サッカー代表の監督を務めるオレクサンドル・ペトラコフ氏が取材に応じたようだ。現地局『Football1』のインタビュー取材の内容を、米放送局『CNN』が現地時間3月28日付けで伝えた。

 ウクライナはカタール・ワールドカップの欧州予選プレーオフに駒を進め、本来であれば24日にスコットランドとの対戦する予定だったが、現状を受け、欧州サッカー連盟(UEFA)が延期を表明。6月に代替開催される見込みとなっているが、具体的な日取りは決まっていない。

 ただ、ペトラコフ監督は「現状では、とてもじゃないが今後のサッカーについて考えることはできない」とコメントしたようだ。

「私は、自国の人々が死に続けている限り、スコットランドと試合をすることは考えられない。まだ4月と5月があるので、その時が迫ればどうなるか分かるが、6月にはネーションズ・リーグの試合もあり、プレーオフもある。でも、今はそれを考える余裕はないんだ」
 
 また、自身は空爆が続いている首都キエフに留まっていることも明かしたという。

「私はキエフの出身で、ここを離れるつもりはない。どこにも行かない。去りたくないし、恐れてもいない。私はリカバリに優れた男だ。そして、私にとってロシアは国として存在しない。知っている限りでは、そこには人も友人もいない」

 64歳の指揮官は毅然とした態度でインタビューに臨んでいたという。ちなみに、ペトラコフ監督の「試合は考えられない」というコメントについて『CNN』が国際サッカー連盟(FIFA)、UEFA、スコットランド・サッカー協会に問い合わせたところ、すぐにはコメントを得られなかったと伝えている。

 ウクライナ対スコットランドの勝者は、W杯出場権をかけてウェールズと対戦する予定だ。カタールW杯の開幕は11月21日。それまでに一日も早く、ウクライナの人々がサッカーを楽しめるような状況になることを願いたい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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