「日本はアジアにおけるユース育成の基準」豪州記者が国内リーグの差を訴える!「いまだ2部は存在せず、昇降格もない」

2022年03月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

「日本は30年に渡るJリーグでの育成を背景に…」

日本に敗れ、がっくりと肩を落とすオーストラリアの選手たち。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 英紙『The Guardian』のオーストラリア版の記者が、国内サッカーの厳しい現実を訴えた。

 カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選(グループB)が3月24日に行なわれ、2位の日本は3位のオーストラリアと敵地シドニーで対戦。途中出場の三笘薫が終盤に2ゴールを奪う活躍を見せ、2―0で難敵を退けた。
【動画】三笘が土壇場で大大大仕事!日本がシドニーでカタール行きを決める!

 この結果、森保ジャパンは最終節を前に、7大会連続7度目のW杯出場が決定。一方、オーストラリアは、グループAの3位と対戦し、そこで勝てば南米予選5位と相まみえるプレーオフへ回ることとなった。

 オーストラリアの敗戦には、コンディション不良の選手が続出し、ベストメンバーを揃えられなったことや、グレハム・アーノルド監督の采配が要因として挙げられている。しかし、同紙の記者はそれ以前に、選手育成に問題があると考えているようだ。「サッカルーズがマヒしている。オーストラリア・サッカーは学ぶべきことが多い」と題し、こう伝えている。
 
「この15年あまりの間に上手くいかなくなったことの核心は、選手育成のボトルネックにある。若くて才能のある選手が自分の可能性を発揮する機会が少なく、その結果、代表チームの選手層が薄くなった。Aリーグには、質の高い選手を生み出すことに大きな期待が寄せられているが、それを実現するための全体的な計画はないままだ。

 2018年、アーノルドがシドニーFCの監督をしていたとき、彼は『Aリーグを育成のリーグとは考えていない』と言った。その後、代表監督に就任してからは、育成の鍵となる17歳から22歳までの選手がプレーする場所を持てるよう、国内の2部リーグやリザーブリーグの設立を急ぐよう求めていた。だが、いまだ2部は存在せず、昇格も降格もない」

 さらには、今年で創設30年目を迎えるJリーグと比較も。Aリーグとの圧倒的な差を嘆いている。

「日本は30年に渡るJリーグでの育成を背景に、非常に優れたチームを作り上げてきた。そのモデルは、ほとんどの選手が若いうちにしっかりとした技術的基礎を身につけ、アンダーエイジチームのピラミッドの中で体系的に成長し、そこからJリーグ側が選手を選ぶというものだ。日本はアジアにおけるユース育成の基準となっている。オーストラリアの敗戦は予想できたことであり、その点では学ぶべきことが多い」

 アジアでは随一の育成システムを誇る日本だが、欧州のそれにはまだまだ及ばない。今後、1人でも多く、世界に通用するタレントを輩出していきたいところだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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