「ありえない」城彰二がフランスW杯行きを決めたイラン戦の“2枚替え”を回想「俺、言われてないし。ノーアップだよ」

2022年03月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

『点取ってこい』の指示。起死回生の同点弾をゲット

ビハインドの状態で呂比須と同時に途中出場した城氏。FWの“2枚替え”には驚いたという。(C)J.LEAGUE

 元日本代表FW城彰二氏が自身のYouTubeチャンネル『JOチャンネル』を更新。1998年フランス・ワールドカップのアジア地区第3代表決定戦のイラン戦について語った。

 日本が初のワールドカップ出場権を勝ち取ったこの試合で、城氏はベンチスタートだった。39分に中山雅史のゴールで日本が先制するも、46分にホダッド・アジジ、59分にアリ・ダエイの得点を許し、逆転されてしまう。

 ビハインドを背負った状況で、岡田武史監督が動く。63分に交代のカードを"二枚"切る。先発の中山、三浦知良に代えて、呂比須ワグナーと城氏を投入するのだが、城氏にとっては慌ただしい途中出場だったようだ。

 控え組で最初に呼ばれたのは呂比須だった。チームメイトに盛り立てられ、試合に出る準備をして、ベンチへと向かい、着替え始める。「そうしたら、なんかざわついていて、ベンチが」。直後にスタッフから声がかかる。『城も行くんだよ!』と。

「俺、言われてないし、みたいな(笑)。それで、俺はノーアップだよ」

 当初は"2枚替え"の予定ではなかったようだ。

「最初は呂比須を呼べって、岡田さんが言ったんだって、コーチに。その後に直感的に思ったらしいんだよね。城も代えるって」

 フランスW杯が終わり、しばらくしてから、城氏は事の真相を本人から聞いた。

「分かんないんだって。なんか"降りてきた"みたいな感じっぽかったんだって。もう究極だったと言っていた。それで(城氏を)呼んだらしいんだよね」
 
 そしてFW2人を同時交代。城氏は次のように振り返る。

「あれってさ、歴史的にないのよ、今まで。FW2枚を同時にいきなり代えるって。あんな大きな大会では、ほとんどありえない。だいたい流れは、ゴンさん(中山)と呂比須さんが代わる。それで、15分経ってから、城が行くか、岡野(雅行)が行くか、みたいな。そういった流れがあるんだけど、いきなりあそこで2枚替えだから。びっくりするよね」

 大胆な交代策は当たる。岡田監督から『点取ってこい』と言われてピッチに立った城氏が、76分に起死回生の同点弾をゲット。2-2のタイスコアで突入した延長戦、118分に岡野がゴールデンゴールを決め、日本はフランス行きのチケットを勝ち取った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【関連動画】「あんな大きな大会では、ほとんどありえない」城彰二がイラン戦の"2枚替え"を回想「びっくりするよね」

【PHOTO】日本代表の歴代ユニホームを厳選写真で振り返り!(1992-2022)

【動画】運命の豪州戦に臨む日本代表メンバー27名を厳選フォトで一挙チェック!
 

次ページ【関連動画】「あんな大きな大会では、ほとんどありえない」城彰二がイラン戦の“2枚替え”を回想「びっくりするよね」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事