ウクライナをネタにしたヴェローナ・ウルトラスの愚かなバナーに非難殺到。ナポリの指揮官と選手も怒り「二度と入れるな」「脳みそをどうぞ」

2022年03月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

ヴェローナは「ヘイト、暴力、差別を扇動するあらゆる言動を非難する」

ヴェローナ・ウルトラスの愚行を批判したナポリのスパレッティ監督。(C)Getty Images

 いつ、どこにでも、愚か者はいる。その数をゼロにすることはできないのかもしれない。だが少なくとも、サッカーのスタジアムからは排除すべきとの主張に耳を傾けるべきではないだろうか。

 3月13日に行なわれたセリエA第29節、ヴェローナ対ナポリの一戦を前に、試合会場となったヴェローナの本拠地マルカントニオ・ベンテゴーディ付近に横断幕が掲げられた。このバナーの卑劣さに、イタリア・サッカー界から非難の声が上がっている。『Gazzetta dello Sport』紙などが報じた。

 バナーに書かれていたのは、「40°50′14°15′」。これは北緯40度50分、東経14度15分でナポリの経緯度を表わしている。そしてこの数字の上に描かれたのが、ロシアとウクライナの国旗だ。ナポリへの爆撃を求めるような内容と言える。

 ヴェローナのウルトラス「CURVA SUD」の名前も記されており、一部の狂人たちが、ナポリを差別的に侮蔑するのに、ロシアのウクライナ侵攻を使ったのだろう。
【関連画像】ナポリを爆撃せよ? ウクライナをネタにした信じ難いバナー
 当然、カルチョ界はこの愚行に怒りを表わした。ヴェローナは声明で「ヘイト、暴力、差別を扇動するあらゆる言動を非難する」と、ウルトラスと距離を置き、レーガ・カルチョも批判。『Gazzetta dello Sport』紙は「卑劣」と報じた。

 ナポリを代表し、ルチャーノ・スパレッティ監督は「こういう人間は二度とスタジアムに入れるべきでない。(試合は)家族のお祭りのためでなければいけない。こういうことを終わらせる必要がある」と、措置を講じるべきと主張している。

 また、2014年からナポリでプレーする主力DFのカリドゥ・クリバリは、SNSでナポリの美しい湾の画像を投稿。ナポリ出身の歌手の曲を流し、戦争反対や「必要なら脳みそをどうぞ」という絵文字を加え、愚行を非難するとともに、ナポリへの愛を強調した。

 世界の人々は、ウクライナでの戦争が一刻も早く終わることを願っている。罪なき人々が、少しでも早く平穏を取り戻せるように祈っている。その中でこのような愚行に及ぶ者は、サッカーのスタジアムに不要だろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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