バルサも狙ったブラジルの新星ジェルソン、ローマが落札

2015年08月06日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

次回移籍時の優先権でバルサは納得か。

1月からの移籍でローマと合意したジェルソン。 (C) Getty Images

 エディン・ゼコの獲得決定に続き、ローマはここまでの交渉で実らせてきた果実を次々と摘み取ろうとしている。
 
 ここ数日のメルカート最大の話題だったブラジルU-20代表MFジェルソン(フルミネンセ)をめぐるバルセロナとの争奪戦に終止符を打ったのは、フルミネンセのピーター・シームセン会長の次のようなコメント。
 
「ジェルソンは1月からローマに移籍する。12月まではここに残る。バルセロナには行かない。もちろん受け取っていた予約金は返却する。我々はローマのオファーにOKを出した。ジェルソンが他のクラブに移籍することはない。ボローニャへのレンタルもあり得ない。来週ジェルソンはローマを訪れ、メディカルチェックを受ける。その後ブラジルに戻り、我々との契約を全うすることになる」
 
 ローマとの合意は、移籍金1600万ユーロ(約22億4000万円)+ボーナス100万ユーロ(約1億4000万円)+次の売却益の一部を受け取る権利。一方バルセロナは、移籍金2200万ユーロ(約31億円)でジェルソンを買い取る権利を確保するため、フルミネンセに予約金360万ユーロ(約5億円)を支払っていた。
 
 フルミネンセはバルセロナに対してローマからより有利なオファーを受けたことを伝え、当初の条件に何らかの上乗せをすることを求めていたが、バルセロナはそれに応えなかったため、ローマ行きが決まったというのがここまでの経緯。
 
 ローマとバルセロナは8月5日に行なわれたガンペール杯で対戦した機会にこの件について話し合いを持ち、次回売却時にバルセロナに優先権を与えることで合意に達した模様だ。
 
 もうひとりのビッグターゲットであるエジプト代表モハメド・サラー(チェルシー)についても、5日夕刻に大きな進展があった。
 
 FIFAから暫定の移籍証明書が発行されたのだ。サラーはすでにローマ入りしてチームに合流しているが、レンタル契約の延長をめぐるフィオレンティーナとチェルシーの協議が決着していないため、練習への参加は見送りとなっていた。
 
 これで選手登録が可能になったため、名実ともにローマの一員としてプレーできることになった。フィオレンティーナは、チェルシーとの協議が物別れに終わった場合、FIFAに提訴することを考えており、そこで主張が認められなかった時にはローザンヌのスポーツ裁判所に提訴することも辞さない姿勢を見せている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
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