「我々はカネの流れをよく考えるべき」クロップ監督、”チェルシー騒動”に言及「英国政府の判断は正しい」

2022年03月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

「責任があるのはプーチン大統領ひとりだが…」

プレミアリーグが抱える問題についても指摘したクロップ。(C)Getty Images

 チェルシーの騒動は、決して他人事ではないのだろう。

 ロシア人のロマン・アブラモビッチ氏がオーナーを務めるチェルシーを取り巻く状況は、非常に複雑になっている。同氏はウクライナへの軍事的侵攻を主導するウラジーミル・プーチン大統領に近いとされ、英国政府は資産凍結および渡航禁止措置などを科すと発表。これに伴い、クラブは経済的な利益を獲得することが許されず、スポンサー撤退などの動きが具体化し、今後は不透明な状況だ。

 そんななか、チェルシーを率いるトーマス・トゥヘルと同じドイツ出身で、リバプールを率いるユルゲン・クロップがこうした激動についてコメントした。現地紙『Liverpool Echo』が12日付けで伝えている。

 記者から今回の問題について問われたクロップは「責任を取るべきはロシアのプーチン大統領ひとりであり、チームを思えば心苦しい状況だが、英国政府の判断は正しい。ただ、この処分はチェルシーというクラブだけの責任ではない」とコメントし、さらに現在のサッカー界が抱える問題を指摘した。

 
「例えば、アブラモビッチがチェルシーに来た時、本当の意味で誰かがそれを気にしただろうか? ニューカッスルが買収されたとき、誰かが本当に気にしたか? サポーターも気にしただろうか。

 資金がどこから流れて来ているかは一目瞭然だ。サポーターも我々も誰もがそれを知っていたが、それを我々は受け入れた。それは私たちの責任でもある。だが今、私たちはそれが受け入れられなくなったので彼らを罰している。それはチェルシーだけのせいではない」

 そして、このように続けた。

「イングランド・サッカー界の、何十億ポンドもの資金がどこからもたらされているのか、もっと考えるべきだ。これはサッカー界全体の問題でもある。今まで気づかなかった人も、気にしていなかった人もいただろう。

 だが、実際に問題となったのだから、見直すべき時でもある。どのように新オーナーのバックグラウンドをチェックするのかは、私には見当もつかない。幸いにも私はここに6年半いて、ここに来た最初の日からオーナーと幸せにやれている。どんなかたちであろうと、オーナーはクラブを導き、利益を出したいときに資金を提供するという存在なんだ」

 ちなみに同胞のトゥヘルとは「気軽に連絡を取り合う仲ではないんだ」しながらも、「今の状況が彼と彼のスタッフ、選手たちにとって良い状況ではないのは明らか」と気遣った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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