公式戦4試合で先発ゼロ。それでも長友佑都は代表招集されるのか

2022年03月12日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

広島戦で気になった〝87分のプレー“

広島戦、守備面で貢献した長友も、攻撃面は……。写真:サッカーダイジェスト

 今季のホーム開幕戦、FC東京は広島を2-1で下した。しかし、決して満足できる試合内容ではなかった。アルベル監督が「前半は広島のプレスに苦しんだ」と話したとおり、FC東京の入りは最悪に近かった。マンツーマン気味のマークに上手く対応できず、主導権を握られ、いくつかピンチもあった。

 流れを変えたのは、ひとつのセットプレーだ。60分、途中出場の三田が蹴ったボールを森重が頭で上手く合わせて先制点を奪ったのである。この1分後にはアダイウトンが追加点を決めて、2-0とさらにリードを広げた。ここぞという場面で決めきった点で、この日のFC東京は勝負強かった。ただ、勝因はおそらく守備陣にある。

 右サイドバックの渡邊は不安定だったものの、CBの森重、アンカーとCBに対応した木本、左サイドバックの小川、GKのスウォビィクは落ち着いて対応。また、後半から右サイドバックに入った長友の守備もそこまで問題なかった。川崎との開幕戦で好ゲームを演じ、3節のC大阪戦で完封勝利を収められたのも守備ブロックの奮闘があってこそ。〝ボールを愛するサッカー"を体現できなくても勝点を拾えている一因は間違いなく彼らの頑張りにあるのだ。
 
 ただ、その守備陣で気になるのは長友の起用法。ルヴァンカップも含めた今季の公式戦4試合で、ここまで先発出場ゼロと、現役日本代表にとっては寂しい現状になっている。代表戦の関係でキャンプ合流が遅れた影響もあるだろうが、それでもスタメンを張れてないのは紛れもない事実だ。

 またプレーの内容を見ても、攻撃面についてはどこかパッとしない。例えば広島戦での87分のプレー。カウンターを仕掛けた場面で、D・オリヴェイラからパスを受けた長友はそこでややもたついたせいか、苦し紛れのクロスを送っているように見えた。

 正直、今の長友はトップコンディションにない。アルベル監督は足もとの技術がある選手を優先的に起用している印象で、ここまで左サイドバックの一番手は小川で揺るぎない。長友が川崎との開幕戦でも右サイドバックで途中出場している点からもそれは分かる。

 要するに、FC東京での長友は現時点でサイドバックのバックアッパーという立ち位置。それでも、ワールドカップ最終予選を戦う日本代表に招集されるのか。

 アウェーのオーストラリア戦(3月24日)をはなから守備的に戦うなら長友の招集・起用は頷けるが、勝点3を狙うなら長友は適任なのか。そもそも招集すべきなのか。ここまでの選考からしてメンバー外になる可能性は低いが、それでもあえて……。森保監督の決断に注目したい。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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