ロシアでコーチをする元ウクライナ代表主将に、母国サッカー協会がライセンス剥奪、記録抹消など厳重処分を検討と発表「侵略者のクラブのために働き続けている」

2022年03月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

「侵略者のクラブとの協力を止めなかった」

ウクライナ代表で最多キャップを誇るティモシュク氏。現在はゼニトでコーチを務める。 (C)Getty Images

 ウクライナ・サッカー協会(UAF)の倫理およびフェアプレー委員会は3月9日、声明を発表。元ウクライナ代表MFのアナトリー・ティモシュク氏に厳しい処分を科す準備を進めていることを明らかにした。

 同国代表の最多キャップ(144試合)を誇るティモシュク氏は現在、現役時代にプレーしたロシアのゼニトでアシスタントコーチを務めているが、ロシアのウクライナ侵攻が始まった後も、沈黙を貫いている。

 発表によれば、同委員会は倫理規定およびフェアプレー違反の可能性を検証。その結果を次のように発表した。

「ロシアのウクライナに対する軍事侵略が始まって以来、ウクライナ代表の元キャプテンであるティモシュクは、この点に関して公の声明を発表しなかっただけでなく、侵略者のクラブとの協力を止めなかった。彼のもうひとつの古巣であるバイエルン・ミュンヘンが声明を発表し、ウクライナを支援する行動をとっているのに、ティモシュクは沈黙を守り、侵略者のクラブのために働き続けている。この意識的な選択を行なうことにより、彼はウクライナのサッカーのイメージを傷つけ、倫理規定およびフェアプレー条項に違反している」
 
 そして、同委員会はティモシュクの処分について、次のことに取り組んでいるという。

・UAFライセンスセンターによって発行されたプロレベルのコーチングライセンスを剥奪する。
・ティモシュクからすべての州の賞と称号を剥奪するよう公的機関に申請することを、UAFに指示する。
・ウクライナ・リーグ、ウクライナ・カップ、ウクライナ・スーパーカップの優勝と準優勝のタイトルをすべて剥奪する
・ウクライナ代表の選手の公式登録(記録)から抹消する

 これらが実際に適用されれば、極めて重い処分となる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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