「母と姉妹はキエフに残ることを望み…」ウクライナの英雄シェフチェンコが悲痛な訴え「今はサッカーのことを考えられない」

2022年03月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ミサイルが家を直撃している」

キエフに残っている家族への想いを口にしたシェフチェンコ。 (C)Getty Images

 ウクライナサッカー界の英雄アンドリー・シェフチェンコが、ロシアの侵攻を受けて苦しむ母国への支援を呼びかけた。

 3月2日、英衛星放送『Sky Sports』に出演したシェフチェンコは、「ウクライナ人であることを誇る。私の国、私の人々、私の家族にとっては非常に難しいときだ」と現状を語った。

「私の母と姉妹は今、キエフにいる。そしてキエフではひどいことが起きている。人が、子どもが死んでいるんだ。ミサイルが家を直撃している」

「何度も(家族に避難を)説得したが、答えはノーなんだ。残ることを望んでいる。これがウクライナのスピリットなんだ」

 そしてシェフチェンコは「我々はこの戦争を止めなければいけない」と続けた。

「止めるための方法を見つけなければいけない。我々の難民がいる。人道支援が必要だ。医療支援や食料支援が必要だ」
 
 ロシアのウクライナ侵攻を受け、スポーツ界では"ロシア外し"の動きが加速化している。サッカー界でも国際サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)が先日、ロシア代表とロシアのクラブの国際大会参加を禁止すると発表した。

 シェフチェンコは「UEFAやFIFAが正しい決断をしたことは素晴らしい」と支持している。

「難しい決定ではないと思う。ある国を攻め、兵士や爆弾を送りこんだなら、衝突ではなく本当の戦争だ。戦争が止まらなかったら、ロシアのアスリートがいかなるスポーツイベントにも参加できないというのは正しい決定だと思う」

 一方で、シェフチェンコは「もう自分にとってサッカーは存在していない。サッカーのことを考えていない。今はそういうときではない。どんなスポーツも、何も見ていない」と、今はスポーツのことを変えられないという苦しい胸の内も明かした。

「目覚めたら、自分に何ができるか、どうやって国を助けられるかを考える。両親や友人に連絡し、ウクライナで起きていることの最新情報を得る。それに集中している。これが今の私のフィールド、私が集中していることだ」

 シェフチェンコが再びスポーツ、サッカーに取り組めるときが少しでも早く訪れるのを願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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