「私に聞くな!」チェルシー指揮官トゥヘルがロシア人オーナーの質問に怒りを露わ「答えることはできない」

2022年03月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

「私は政治家じゃない」

前代未聞の状況に頭を抱えているトゥヘル。(C)Getty Images

 プレミアリーグのチェルシーを率いるトーマス・トゥヘル監督が、記者会見で珍しく感情を荒立てた姿が注目を集めている。現地紙『The Guardian』など複数のメディアが報じている。

 現地時間3月2日に行なわれるFAカップ2回戦のルートン・タウン戦を控え、トゥヘル監督は前日会見に出席。しかし、チームを取り巻く環境の変化、とくにロシア人オーナーのロマン・アブラモビッチ氏に関する質問が殺到した。2月24日に始まったロシアのウクライナへの軍事的侵攻を受け、アブラモビッチ氏はクラブの運営権を譲渡するという声明を発表している。
 
 オーナーなりにクラブへの影響を考慮しての決断とみられているが、イングランド国内のみならず、世界中のフットボールファンの関心を集めている。

 ただ、実際に会見でオーナーなどに関する質問を受けたトゥヘルは「私は政治家じゃない。そんなことを聞かないでくれ!」と強い口調で遮った。

「正直に言えば、私は戦争を経験したことがない。それに、私にはそういった質問に答えようがないんだ。答えることも申し訳なくなる。そういう質問はやめてくれ。答えはないんだ」
 
 それでもチームの状況についての質問には「なんとか嵐の中心で平静を保っている状態だ」といら立ちながらも、こう返答した。

「私と選手たちにできることは、いま目の前にあることに集中すること。スポーツに集中する権利があると考えているからだ。もちろん、ウクライナの状況の方が圧倒的に重要だ。だが、我々は素晴らしい試合をするために準備している。最大限の努力とエンターテイメントでファンを楽しませるためだ」

 ちなみに、サポーターに対して何かメッセージを求められた際も、指揮官は「スポーツ以外のことについて、私が何か言うべきなのか確信が持てない」とコメントしている。

「これはスポーツだ。我々はスポーツに集中する権利があり、選手にも集中する権利がある。我々がファンに伝えられる最大限のことだ」

 ルートン・タウン対チェルシーは日本時間の3日4時30分にキックオフされる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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