「レフェリーのハンドル感が緩い」元国際審判の家本氏がレッド続出のJ1リーグに提言「もう少し丁寧に…」

2022年03月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

開幕20試合で9人が退場に… 一方で平畠さんは「荒れているかと言ったら、そんな印象はない」

開幕から9枚のレッドカードが乱れ飛ぶJ1リーグ。2度の警告での退場は、例年より5倍の多さだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 開幕から退場者が続出するJリーグの異例の事態に、サッカー界のご意見番たちも頭をかしげている。

 DAZNは3月1日、配信番組『2022Jリーグ ジャッジリプレイ』の最新コンテンツを公開し、開幕から早くもレッドカード9枚が乱れ飛ぶ現状について、ゲストの元国際審判員の家本政明氏、Jリーグ副理事長の原博実氏、タレントでJリーグウォッチャーの平畠啓史さんが意見を述べている。

 この日は浦和レッズ対ヴィッセル神戸の45分に起きた武藤嘉紀に対する岩波拓也のプレーで、VARの介入がなかったシーンのほか、柏レイソル対横浜F・マリノスとジュビロ磐田対清水エスパルスでそれぞれ起きた退場処分となったシーンが取り上げられた。

 3つのシーンについての議論が行なわれた後、MCの桑原学さんからは、今季ここまで開催された20試合で、退場処分となった選手が早くも9人という異例の多さとなっていることが紹介された。この事象について、家本氏はエキサイティングで魅力あるプレーを届けたいという現場の選手たちの想いを汲みつつ、「その結果がイエローやレッドカードに出ているのかなという見方がひとつと、数が多いと言ってもその中身を吟味する必要がある。どれだけ妥当なイエロー、レッドなのかはおそらく審判委員会等で議論していると思う」とし、そのうえでイエローカードはJ1では昨年の30パーセント増、レッドカードは50パーセント増、イエロー2枚での退場は500パーセント(5倍)増えているという事実に触れ、「ややレフェリーのハンドル感が緩いような、やらせ過ぎている印象が少しあって、だから選手が『これはいいのね、これもいいのね』とどんどん選手自身がアクセルを踏んでいる印象はある」と所感を述べた。
 
 こうした現状を抑えるために、家本氏は「激しさはメリットでもあるが、一方でブレーキが効かなくなっているデメリットでもあるので、選手に自制心をもってと言うことも大切かもしれないし、レフェリー側も(選手が)アクセルを踏んでいるから、一緒にアクセルを踏むのではなく、もう少し丁寧にコミュニケーションをとっていくとか、反則を止めていくという作業が必要なんじゃないかという気はしています」と提言した。

 また、平畠さんは「数字に引っ張られてしまう面はあるが、じゃあ今シーズンめちゃくちゃ荒れているかと言ったら、そんな印象はない」と述べ、これには原氏も「それはないよね」と同意。さらに、「家本さんもおっしゃっていたが、選手も探っているというか、『これいいんすね? あ、これ取るんすか?』と、ちょうどいい温度感がまだ探っているのかなという印象もなくはない」と意見を述べ、決して意図したラフプレーが横行しているわけではないと感じているようだ。また、DAZN公式ツイッターでは、原氏はスタートダッシュをかけたいというチーム、選手の想いも汲み「どうしても最初は熱い試合が多くなるからね」と語り、家本氏も開幕直後特有のジャッジの難しさについて指摘している。

「何よりファンは11対11の試合が見たいわけじゃないですか」とはMCの桑原さん。開幕からレッドカードが頻発する事態だが、2日に行なわれる10節の2試合、週末の3節の9試合ではどのようなパフォーマンスが見られるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【関連動画】DOGSOに相当するファウル?ジャッジリプレイで取り上げられた柏vs横浜戦のプレー(4分31秒~)

次ページ【関連動画】これはDOGSOに相当するファウル?ジャッジリプレイで取り上げられた柏vs横浜戦のプレー(4分31秒~)

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事