低迷する名門バレンシア。かつては期待のホープを借りるのではなく貸し出す側だったが…

2022年03月02日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

26節終了時点のラ・リーガでは9位

今冬にトッテナムからレンタルで獲得したブライアン・ヒル。(C)Getty Images

 ラ・リーガでもっとも完全復活が待ち望まれているクラブのひとつが、バレンシアだ。

 しかし今シーズンも、コパ・デル・レイでは順当にベスト4進出を果たした一方で、ラ・リーガでは年明け後に急失速。2分け4敗と突如として勝ち星から見放され、26節のマジョルカ戦でようやく2022年の初勝利(1-0)を挙げている。

 今冬の移籍市場での振る舞いも、そんなクラブの低迷ぶりを象徴すると、地元紙『スーペル・デポルテ』は指摘する。
 
 議題の対象となっている選手は、ブライアン・ヒルとイライシュ・モリバ。ともに才能豊かな若手で、両者とも加入早々に持ち味を発揮しているが、問題は買い取りオプションなしのレンタルという移籍形態だ。つまり今シーズン終了後には、それぞれ所属元のトッテナム・ホットスパーとRBライプツィヒに戻ってしまう。

 これはいわゆるビッグクラブが若手育成のために使う常套手段だが、かつてのバレンシアは期待の若手を借りるのではなくレンタル修行に出す側だった。エイバルとセルタで経験を積み、復帰後に主力選手として大活躍したダビド・シルバ(現レアル・ソシエダ)はその代表例だろう。

 近年の成績で後塵を拝しているレアル・ソシエダとの争奪戦を制してブライアン・ヒルを獲得し、クラブのブランド力の健在ぶりをアピールする格好となったが、それでもレアル・マドリーやバルセロナと優勝争いを演じていたかつてのイメージからは程遠い。

『スーペル・デポルテ』紙は、「欧州カップ戦の出場権を逃した場合は主力の流出は不可避だろう」とも伝えている。26節終了時点の順位は9位。スペインを代表する名門の夜明けの兆しはまだ見えてこない。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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