「日本代表でさらに自信がついた」板倉滉が名門シャルケで見せる絶対的な存在感。攻撃では起点に、守備では最後の防波堤に…【現地発】

2022年02月26日 中野吉之伴

あらゆるプレーがとてもスムーズに行われている

今季から加入したシャルケで不可欠な存在となっている板倉。(C)Getty Images

 ブンデスリーガ2部における昇格争いが熾烈だ。

 1部からシャルケ、ブレーメンというかつてチャンピオンズ・リーグにも出場していたクラブが降格してきたことで、2部リーグながら名門クラブがひしめきあう群雄割拠。前述2クラブのほかにもハンブルク、ハノーファー、デュッセルドルフ、ニュルンベルク、ザンクトパウリ、ダルムシュタット、パーダーボルン、カールスルーエ、ハンザ・ロストック、インゴルシュタットと、実に12クラブがこの15年の間に一度は1部の所属歴があるのだ。

 23節終了時で首位ブレーメンから5位シャルケまでが勝点2差、6位ハイデンハイムが4ポイント差につけており、どこが抜け出すのか予断を許さない展開が続いている。

 日本代表DF板倉滉が所属するシャルケは、前節に、パーダーボルンに2-0で勝利し、5位につけている。得点45はリーグ2位で、失点27も少ない方から2番目とかなり安定した数字を残している一方で、すでに7敗もしているのが気がかりだ。22節のデュッセルドルフ戦では非常に悪いパフォーマンスで1-2と敗戦。試合後は監督、選手から反省の弁ばかりが口から飛び出していた。
 

 昇格を狙うクラブとして避けなければならないのは連敗だ。それだけに翌節のパーダーボルン戦で勝利した意味は大きい。特にパーダーボルンはこのシャルケ戦までアウェー無敗だっただけに、ホームに詰めかけた1万人の観衆の前で勝ち切ることができたのは間違いなくポジティブに作用するはずだ。

 ディミトリオス・グラモジス監督は、試合後の記者会見で次のように分析していた。

「パーダーボルンは首位ブレーメン相手から3点を取ったチーム。相手のハイプレスに苦しみ、なかなか自分たちのフォワードへボールを運ぶことができず、起点づくりに苦労した。それだけにフリーキックからの得点はチームにとって貴重なものになったが、後半は試合展開が荒々しくなり、両チームともにポストを直撃するシュートがあるなど、どちらに点が入ってもおかしくなかった」

 苦しみながらも相手に試合の流れを渡さずに我慢強く試合を進めることができたことが大きかったわけだが、そんなシャルケにとって板倉の存在感がいよいよ絶対的なものになってきている。

 1対1の競り合いではほぼ勝利。相手よりも常に早い出足で対応し、突破に対してしっかりと面を作ってブロック。そしてビルドアップの局面では相手のプレスを受けながらも的確で効果的な縦パスを前線へと配給しゲームメイクにも貢献。あらゆるプレーがとてもスムーズに行われているような印象を受けるのだ。

 シャルケの攻撃は板倉からスタートし、相手の攻撃は板倉のところで終焉を迎える。落ち着き払ったプレーは以前と変わらないが、これまで以上に自信を持ってプレーしているように感じる。

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