【セルジオ越後】王者川崎が早くも初黒星、疑惑の一発退場… Jリーグは波乱含みの幕開けだね

2022年02月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

フロンターレの敗戦はまったく予想できなかったことじゃない

家長のボールキープにアプローチを掛けるエドゥアルド。川崎は横浜に2-4で敗れ、今季初黒星を喫した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 2022年のJリーグが開幕したね。今年は11月下旬に開幕するワールドカップもあって、11月上旬には全日程が終了する異例のスケジュールで、選手たちにとっては相当過酷な日程になるのは間違いない。そのうえ、コロナ禍が収まる気配もなく、早くも中止となったゲームが複数ある。前途多難なシーズンを予感させているね。

 そんななかで、昨シーズンも2位以下に圧倒的な差をつけてリーグを連覇したフロンターレが早くも2節で、昨季2位のマリノスに土を付けられた。この結果も何か波乱含みの展開を漂わせているけど、まったく予想できなかったことじゃない。
 
 一昨年のシーズンから中村憲剛をはじめ、守田や田中、三笘と次々に主力が抜けて、昨シーズン終了後には旗手も海外移籍で退団してしまった。もちろん、脇坂や橘田が成長したり、大島が復帰したりとプラス要素もあるけど、やっぱり去年までとすべて同じ質でやれているわけじゃない。例えば左サイドもマルシーニョが頑張っているけど、決して三笘と同じレベルで結果を残せてはいない。海外からビッグネームや実力派の助っ人を連れてくるのも難しいご時世で、戦力アップもままならない現状だ。

 そのうえ、開幕戦や2戦目を見る限りではジェジエウの不在も大きいよ。去年、シーズン中盤からマリノスに追い上げられながらも逃げ切れたのは、やっぱり後ろがしっかり守って僅差のゲームをモノにできていたから。後ろが耐え切れず崩れてしまうと、やはりマリノス戦のようなゲームになってしまうだろうね。

 ただし他を見ても、飛び抜けた力を持つチームは見当たらない。マリノスにしても初戦はセレッソと引き分けているし、スーパーカップでフロンターレを下したレッズも、久しぶりに昇格した京都サンガに敗れてしまった。まさに団子状態のリーグ戦を象徴するようなシーズンの立ち上がりになっている。

 そうしたなかで、開幕前に僕が注目チームとして挙げていたのがこれまでのブラジル路線から欧州路線に変更したアントラーズ。初戦は、ガンバ戦に3-1で快勝したけど、パトリックが前半で退場になった件もあるし、まだちょっと本当の力が見えてこない。そういう意味でも、3節で対戦するフロンターレとの対戦は序盤戦の大きな見どころになりそうだね。
 

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