【番記者“激薦”|G大阪】目を見張る日本語の上達ぶり。“日の丸”を目指すパトリック、カタールW杯に間に合うか!?

2022年02月23日 飯間 健

「聞く」能力は十分。「話す」能力もめきめきと

日本を愛し、日本人に愛されるパトリック。今季もG大阪の貴重な得点源として、かかる期待は大きい。写真:田中研治

 ついに幕を開けた今季のJ1リーグ。それぞれのチームとしての戦いぶりが気になる一方、ではその中で注目すべき選手は誰か――番記者が独自の観点で必見プレーヤーをピックアップし、その魅力を伝える。今回はガンバ大阪のFWパトリックを紹介する。

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 今さらかもしれないが、G大阪のFWパトリックの日本語の上達はより多くの人々に注目していただきたい。

 2月19日のリーグ開幕・鹿島戦。38分に退場してしまった試合後、パトリックは日本語で謝罪した。試合後のヒーローインタビューでもまず日本語での受け答えにトライし、ツイッター上でも日本語の勉強に勤しんでいることがうかがえる。

 たびたび口にしているが日本語習得は将来的な日本国籍取得、そして日本代表入りのためだ。

 パトリックは取材者の質問を理解していることが多く「聞く」能力は十分に備わっていると思う。インタビューを受けるたびに「話す」能力が上がっているな、とも感じる。

 そして申請受理の要項の一つとして「小学校低学年レベルの日本語の読み書き」があり、場合によってはテストされることもある。自らのツイッターでアドバイスを仰ぐ姿勢はそのときのためであり、また多くのファンやサポーターが応える"やりとり(交流)"は、同じ目標に向かう同志のようで微笑ましい。
 
 日本国籍取得の条件の一つには「住居要件」というのがあり、「継続して日本に5年以上住んでいること」がある。パトリックは14年7月からは日本でプレー。本来ならば18年7月に取得条件を満たしているのが、16年10月に右前十字じん帯損傷及び右外側半月板損傷で全治8か月の大怪我を負ってブラジルに帰国している間に失効してしまったようだ。だが今年の3月中には5年間の条件を満たす。

 10月には35歳。そして11月にはカタール・ワールドカップが開催される。日本国籍を申請して面談、その後の結果通達まで数か月を要するといわれる。時間的にはかなり厳しいのは分かっているが、もしも無事に日本国籍が取得できればパトリックにとってカタールW杯は最初で最後のチャンスだろう(森保ジャパンが出場権を獲得できれば、だが)。

 日本を愛し、日本人に愛され、その努力も惜しまない。日本国は、応えてあげてほしい。

取材・文●飯間健(スポーツニッポン新聞社)

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