中村俊輔の“若手論”。「勢いは本当に凄いから」。超逸材・松木玖生については「フィジカル的に十分。あとは…」

2022年02月18日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「すごくいいなって。戦術にハマっていなくて良かった」

鳴り物入りでプロ入りした松木(右)。選手権でのプレーも見た俊輔(左/1月に撮影)は「パワフルだし、自分の良さを出しまくっていた」と語る。(C)SOCCER DIGEST

 サッカーへの探求心は尽きない中村俊輔は、欧州リーグはもちろん、高校サッカーにもアンテナを張る。今冬の選手権も「たくさん見た」。その印象を次のように語る。

【動画】中村俊輔の美技!ラストのフリーキックはまさに芸術

「全体的に各監督さんが、型にハメるよりも、高校サッカーを育成の場に考えているんじゃないのかなっていう気がした」

 圧倒的な強さで大会を制した青森山田については、「キーパーからつなぐとか、システマチックではない。サイドで1対1をさせてとか、持っている能力をぶつけまくっているなと思った」。そんな戦いぶりを「俺は、すごくいいなって。戦術にハマっていなくて良かった」と感じたという。

 青森山田のキャプテンで10番を背負い、際立つパフォーマンスを見せた松木玖生は今季、FC東京でプロキャリアをスタートさせる。俊輔と同様に、選手権で名を挙げ、大きな注目を集めて高卒でプロ入り。利き足も同じ左と、共通点が少なくない俊英は、俊輔の目にはどう映ったか。

「ストッパーにほとんどサポートに行かないんだよね。でも、前にボールが蹴られると、そのセカンドボールを拾いまくる。パワフルだし、自分の良さを出しまくっていた。武器があって、これからまたいろんなことを吸収するはず。頑張ってほしい」
 
 自身のプロ1年目を振り返れば、「線は細かったけど、いなすことはできた」という。

「高校の時は、こねくり回して、キックフェイントで相手の逆を取ったり、好き勝手にスルーパスを出したり。それでプロになって、技術は通用した。相手をいなせたことが、まず大きかったよね。足りなかったのはフィジカル。それは分かっていたし、1年目からしっかりとトレーニングしたら、2年目から景色が全然変わった」

 松木に関しては「フィジカル的には十分に通用する」と見ており、「あとは戦術理解とか、ちょっとした技術をつければいいだけ。それですむ」と期待をこめる。

 プロに入る前段階で、ストロングポイントを身に付けているのは大きなアドバンテージになる。ゆえに「高校の時に、自分の個性を出しまくれる環境はすごくいい」という考えに至る。

【PHOTO】「伝説のFK弾」も!中村俊輔のキャリアを厳選フォトで振り返る
 

次ページ「1年目から試合に出て、早すぎることはない」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事