【J1採点&寸評】FC東京×仙台|前半で勝負あり。FC東京がチームの成熟度を見せつけて勝点3を掴む!

2015年07月30日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

重心を下げ過ぎた後半に逆襲されるものの、試合全体をとおしてFC東京のペース。

【警告】FC東京=権田修一(84分) 仙台=なし
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】前田遼一(FC東京)

【試合内容】
 コンパクトな陣形を保つ両チーム。立ち上がりこそ一進一退だったが、徐々に寄せの速さで上回るFC東京ペースに。すると9分、セットプレーから太田が極上のクロスを供給し、しれに森重が合わせてホームチームが先制する。

【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・5節
 
 その後のすべての局面でFC東京が上回り続けて、23分にはボールを奪った野澤から前田にパスが通って2点目。さらに34分には相手のミスを見逃さなかった前田がこの試合で自身2得点目(チーム3点目)をゲットした。
 
 後半は重心を後傾させたFC東京が自ら試合を難しくしてしまい、仙台の前掛かりの姿勢もあって完封とはならなかったが、ボールを奪ったあとのカウンターには鋭さがあり、さらに追加点を挙げる予感も十分に漂っていた。
 
 結局、惜しいチャンスはあったものの3-1からスコアは動かず。1対1の戦闘力で勝ったFC東京が仙台を下して勝点3を手にした。仙台は第2ステージ初勝利ならず、泥沼にハマってしまった印象だ。
 
【チーム採点・寸評】
FC東京 6.5
効果的に加点して、前半で勝負を決める。重心を後ろに下げ過ぎて失点したシーンが唯一の減点材料だ。
 
仙台 5
球際、切り替え、走力で相手に上回られ、戦えないまま終戦。1対1で後手に回り続けて、試合は45分で決してしまった。
 
【FC東京|採点・寸評】
GK
1 権田修一 6
完封こそ逃したが、きっちりと最後方で試合を締めた。ただし安定感が少し足りず、能力を考えれば物足りない出来。
 
DF
2 徳永悠平 6
堅実な守備だけでなく、59分には石川とのワンツーで抜け出して決定機を創出。攻撃でもスタジアムを沸かせた。
 
3 森重真人 6.5
些細なミスもあって満足できるパフォーマンスと言えないが、先制点のヘッドはさすが。高い統率力で最終ラインをまとめる姿も頼もしい。
 
5 丸山祐市 7
気合十分。地上戦でも空中戦でも存在感を発揮して、仙台の攻撃陣にほとんど仕事をさせなかった。
 
6 太田宏介 6
鋭く駆け上がる場面や精度の高いクロスの供給は数えるほど。森重へのアシストがこの試合のハイライトとなった。
 
MF
7 米本拓司 6.5
ピッチを狭く感じさせるほどの運動量は両チームでピカイチ。ボールをハントする姿はまさに猟犬だった。
 
8 三田啓貴 5.5
試合から消えている時間が多く、チームでひとりだけ試合に入りにくそうにしていた。シュート0も寂しい。
 
22 羽生直剛 6
まさに黒子の動きで素早くサポート。守備でも効果的なポジション取りで仙台の攻め手を少なくしていた。
 
34 野澤英之 6.5
周りを動かしながら、自身もよく走った。チーム2得点目は寄せの素早さもさることながら、パスと判断力も◎。
 
FW
20 前田遼一 7
身体を張ってボールをよく収め、前線で起点となり続けた。前半で相手にトドメを刺す2得点はエースと呼ぶにふさわしい。
 
21 サンダサ 5.5
スペースへの走り込みや、ファーストDFとしての動きは献身的。ただクオリティが今ひとつの印象だ。
 
交代出場
18 石川直宏 6
苦しい時間帯を打破するパフォーマンス。しかし細かなミスが散見され、最後の精度がもう一歩だった。
 
37 橋本拳人 -
「82分の(石川への)スルーパスはイメージどおり」。臆することなくピッチで自己を表現できていた。
 
50 松田 陸 -
投入された時間が89分では、あれこれ求めるのは酷。バランスを崩すことなく、きっちりと試合を締めた。
 
監督
マッシモ・フィッカデンティ 6.5
プランを超えた試合展開を披露。ただ前半が良すぎただけに、引いてカウンターを狙った後半は修正の余地ありか。

次ページ低調な内容。「球際、切り替え、走力」で上回られて打つ手なし。

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