【J1採点&寸評】鳥栖×鹿島|赤星の負傷退場により、試合は急展開

2015年07月29日 増山直樹(サッカーダイジェスト)

試合巧者らしさを見せつけ、鹿島が終盤に怒涛の3ゴール。

【警告】鳥栖=谷口(52分) 鹿島=昌子(78分)
【退場】鳥栖=なし 鹿島=なし
【MAN OF THE MATCH】柴崎 岳(鹿島)

【試合内容】
 真夏の連戦という厳しい環境のなか、前半はスローペースとなる。ゆっくりと後方でパスを回す鹿島に対して、鳥栖はそれほど前からプレスを掛けず。柴崎のミドルパスから鹿島が何度かチャンスを作るも、スコアは動かなかった。
 
 迎えた後半も、展開はほぼ変わらない。それでも85分、いくつかの好セーブを見せていた赤星がキム・ミンヒョクと交錯してピッチを退くと、鹿島はその隙を見逃さなかった。
 
 87分、金崎の右からのクロスをカイオが折り返すと、走り込んだのは柴崎。鋭いミドルを叩き込むと、その2分後には柴崎のスルーパスから遠藤、赤﨑とつないで追加点を奪う。さらにロスタイムには柴崎のこの日2点目でダメを押すなど、終盤に試合巧者らしさを見せつけた鹿島が、鳥栖に引導を渡した。
 
【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・5節
 
【チーム採点・寸評】
鳥栖 5
局面では戦えていたが、最後の最後で集中を欠いて3失点。枠内シュートは打てず、攻撃面では大きな物足りなさが残る。
 
鹿島 6
終盤のチャンスを逃さず、守備にも穴は見せず。決して焦れずに消耗戦を勝ち抜いた、まさに鹿島らしい勝点3。
 
【鳥栖|採点・寸評】
GK
1 赤星 拓 6.5
ダヴィとの2度の1対1を止めるなど、出色の出来だった。キム・ミンヒョクと激突し、その後は微動だにできず交代。
 
DF
5 キム・ミンヒョク 5
フィードが安定せず、安易にGKへボールを戻すなど後方からリズムを作れず。対人の対応でもフィットネスを欠いていた。
 
36 菊地直哉 5.5
ポジショニングの良さを見せ、シュートコースに上手く入り込んでブロック。最後の大崩れだけが悔やまれる結果に。
 
29 谷口博之 5
決して悪い内容ではないが、得意の空中戦でインパクトを欠いた。終盤は前線にポジションを上げたが、見せ場はなし。
 
MF
28 高橋義希 5.5
序盤から運動量豊富に動き回り、攻守で顔を出す。ただ、ボールを持ってからのプレー精度に課題が残った。
 
14 藤田直之 5.5
押し込まれながらも、我慢して中盤をコントロール。不発に終わったが、チーム最多の2本のミドルも放つ。
 
23 吉田 豊 5.5
アグレッシブな球際と、エネルギッシュな上下動。クロスの質が高まれば、相当な脅威を与えられるのだが……。
 
8 水沼宏太 5
献身性は健在だったが、惜しいFKを放った以外は特筆すべきシーンがない。細かいパスが乱れる場面も散見された。
 
24 鎌田大地 5
良い形でボールが受けられず、パスセンスは影を潜める。守備でも人に寄せ切れないケースが多く、課題が多く見つかったか。
 
10 キム・ミヌ 5
サボらずにしっかりと帰陣するなど、最低限のタスクはこなしていた。一方、前への突進力はいつもに比べて低かった。
 
FW
25 早坂良太 5
ボールを収めようと身体を張って奮闘したが、上手くいかず。シャドーとの連係も低調で、シュート0本に終わる。
 
交代出場
MF
20 菅沼 実 -
守備に追われる時間が長く、前線での仕事が少ない。練習ではキレのある動きを見せていたが、試合では披露できなかった。
 
GK
21 藤嶋栄介 -
スクランブル出場というエクスキューズはあるが、立て続けに3ゴールを許す。授業料としては高くついてしまった。
 
FW
19 山﨑凌吾 -
リーグ戦初出場を果たす。ターゲットとしてのサイズ感は魅力だが、上手く試合に入れずに、プレーでは精彩を欠いていた。
 
監督
森下 仁志 5.5
赤星の負傷交代は痛恨だったが、我慢比べに敗れた格好。前線の交代カードは乏しく、やれることが限られていた。

次ページ全得点に絡んだ柴崎。圧巻のプレーはMOMに相応しい。

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