もはや禁断の移籍ではない!? J2で苦しむ大宮に浦和ゆかりの3選手が加入。ロドリゲス監督からは「怖い選手に」と宿題

2022年02月06日 佐藤亮太

22選手が去り、15選手を新たに獲得。指揮官のもと陣容刷新を断行

大宮に所属する浦和にゆかりのある3選手。左から武田、矢島、茂木。写真:滝川敏之

 2018年に降格して以来、J2リーグで5年目を迎えた大宮アルディージャは、毎年昇格候補に挙げられながら2020年は15位、昨季は16位と苦しんでいる。

 しかし、今年はひと味違う。
【2021-22移籍動向一覧】J2の新加入、退団、引退選手&監督動向まとめ
「年功序列や在籍年数、過去の実績は関係ない」
「今までと同じことをしてはいけない。相手を上回る厳しさ、強さをメンタル、フィジカル、戦術に求めたい」

 変革を進める霜田正浩監督のもと、オフシーズンには22選手が去り、新たに15選手が加入するなど、陣容の刷新を敢行した。

「このサッカーをすれば輝く選手しか声をかけていない」というように、補強は戦術に合致した選手を吟味したうえ、みずから必要性を訴え、陣容を固めた。

 そんななか、注目は浦和レッズにゆかりのある3人の選手。ガンバ大阪からMF矢島慎也、愛媛FCからDF茂木力也の浦和アカデミー出身のふたりに、育成型期限付き移籍期間延長となったMF武田英寿だ。

 大宮と浦和――。街の成り立ちから相互間の加入は「禁断の移籍」と言われたが、もはやそうではなくなった。

「浦和から大宮に移った選手も多くいるので意識していない。あくまでガンバ大阪から来た感覚」と矢島慎也。加入の経緯について霜田監督との話し合いのなか「この先を考えるなか必要なものを学べると思った。目の前の勝負を追求しながら、一番、大事にしている楽しさを見出せるサッカーがしたかった」と語った。G大阪ではボランチ起用が多かったが本来はトップ下の選手。矢島は中盤を構成でき、得点に絡むことができる「何でもして良いポジション」とインサイドハーフを希望。昨季の大宮の布陣4-3-3に照らし合わせれば、最適格といえる。

 次は万能型DFの茂木力也。対人の強さはもちろん、声で味方を動かしながら守れるクレバーさ、そして攻撃参加にも特長がある。愛媛では3バックだが、役割はサイドバック。たゆまぬ上下運動で攻守に貢献した。加えて自身が「案外、得意」と話すのが背後を狙った裏抜けからのクロスだ。

「ゴールに迫る回数が多くなるのでアシスト・ゴールを狙いたい」(茂木)
 サイドバックに人材が不足する大宮にとっては、重宝がられるはずだ。
 

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