「ハーランド級の才能」ユベントスへ超巨額移籍のヴラホビッチ、識者が語る長所と課題は?

2022年02月03日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

昨シーズンから今シーズンにブレイクする

今冬にユベントス移籍を果たしたヴラホビッチ(左)。(C)Getty Images

 今冬の移籍マーケットで最高額のディールとなったのが、ドゥシャン・ヴラホビッチのフィオレンティーナからユベントスへの移籍だ。
 
 ユベントスの発表によれば、移籍金は固定額が7000万ユーロ(約91億円)、ボーナスが1000万ユーロ(約13億円)、連帯貢献金&代理人手数料が1160万ユーロ(約15億円)。さらにセルビア代表FWが稼ぐ年俸は700万ユーロ(約9億1000万円)と報じられている。
 
 22歳になったばかりのヴラホビッチがこれだけの巨額を動かした最大の理由は、もちろんクオリティーとポテンシャルの高さゆえだ。ブレイクした昨シーズンはセリエAで21ゴール、さらに今シーズンもここまでセリエA得点ランク1位タイの17ゴールを挙げている。
 
 まだユベントス移籍が決定する前、『ワールドサッカーダイジェスト』2月3日号で現役イタリア人監督のロベルト・ロッシ氏は、「今やヨーロッパ全体で見ても、同じ2000年生まれの怪物アーリング・ハーランドに迫る屈指の若手ストライカーという評価を確立しつつある」と絶賛。プレーの特長に関しては、次のように分析している。
 
「CFとしてのタイプ的にも、ヴラホビッチとハーランドには共通点が少なくない。身長190cmクラスの大柄な体格の持ち主ながら、爆発的なパワーと極めて優れたコーディネーション、そして高いテクニックを併せ持つ。
 
それゆえ、DFを背負って攻撃の基準点として機能するのはもちろん、前を向いて裏のスペースをアタックしたり、単独で40~50mのロングカウンターからフィニッシュしたりできる。さらにペナルティーエリア内での「嗅覚」にも優れ、プレーの展開を読んでボールがくる場所に正しいタイミングで入り込める。
 
ともに左利きでシュートは強力かつ正確で、ペナルティーエリア内はもちろんミドルシュートでもゴールを奪える。今やトップレベルでは希少種となりつつある、万能型の大型CFだ。
 
 違いがあるとすれば、狭いスペースでのテクニックとアジリティーではヴラホビッチがやや上回るが、オープンスペースでのスピードではハーランドに軍配が上がる部分だろう」
 
 さらに、分析当時は移籍先候補の1つだったユベントスとの戦術的な相性に関しても、太鼓判を押していた。
 
「今のユベントスは、基準点として機能しながらフィニッシュを担える万能タイプのCFを必要としている。現在9番を担っているアルバロ・モラタは、ポゼッションに絡みつつスペースを作る戦術的な動きでビルドアップと崩しに貢献しつつ、フィニッシュに絡む感覚も優れたストライカーだが、基準点としての機能性と決定力という2つの点で要求水準に届いていない。ヴラホビッチはその観点から見て理想に近いCFだ」

【動画】ヴラホビッチのゴール集をチェック!
 

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