ベンゼマとベイルが見せる「新たな顔」 R・マドリー「夏の仕上がりチェック」

2015年07月25日 豊福晋

イスコの充実ぶりも際立つ。

鮮やかなボレーを叩き込んだベンゼマ(右)。ベニテスの期待に応え、エゴイスティックに変貌中だ。 (C) Getty Images

○R・マドリー 4-1 ●マンチェスター・C@メルボルン(7月24日)
[得点者]ベンゼマ、C・ロナウド、ペペ、チェリシェフ
 
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■イスコの絶好調
 
 9万9382人の大観衆を集めた試合は、マドリーが結果でも内容でもシティを圧倒。順調な仕上がりぶりを印象付けた。
 
 なかでも光ったのがイスコの充実ぶりだ。プレシーズン初戦のローマ戦に続いて輝きを放ち、2アシストをマーク。とくにチェリシェフのゴールを導いた個人技は、スペイン国内でも絶賛の嵐だ。
 
 このイスコを右に、中央ベイル、左C・ロナウドと並ぶベニテス流4-2-3-1の2列目は、連係の深化が進む。ここにハメスが加わるこのセクションは、文字通り世界屈指のクオリティだ。
 
■「ゴラッソ」を決めたベンゼマの意識改革
 
 この試合のベストゴールはベンゼマの一発。ベイルのパスに足を高く上げ、ボレーで押し込んだ。
 
 新監督のベニテスはベンゼマに、これまでよりもゴールを意識した、より9番的な動きを要求しているが、それに応えるような「ゴラッソ」だった。
 
 昨シーズンまでのベンゼマは、C・ロナウドら周囲を生かす動き、スペースメイクやサイドや中盤でのパス回しへの参加に重点を置いていた。しかし今シーズンは、いい意味でエゴイスティックな「9番ベンゼマ」が見られそうだ。
 
 エリア内で得点感覚を発揮したこの試合は、意識改革の表われとも言える。
 
■板につく「トップ下ベイル」
 
「トップ下ベイル」も板についてきた。右サイドに"縛られた"昨シーズンまでとは違い、中央にサイドにと自由に動き、伸び伸びと才気をほとばしらせている。
 
 この日も、ベンゼマへのアシストをはじめ、ヘディングで得点チャンスを作り出すなど溌剌としたパフォーマンスを披露した。
 
 エゴイスティックに変貌中のベンゼマと同様、「新しいベイル」が誕生しつつある。
 
文:豊福晋
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