ナポリはなぜ、酒井宏樹をリストアップしたのか? 移籍専門記者が解説

2015年07月24日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

本命はクロアチア代表ヴルサリコで、本人とは合意。

クラブ間交渉が難航しているヴルサリコの代替候補として、酒井はナポリのターゲットに浮上した。 (C) Getty Images

 ナポリはかねてから、レギュラーのクリスティアン・マッジョに年齢的な衰えが見え始め、控えのファン・カミーロ・スニガを放出リストに載せている右SBの補強に動いてきた。
 
 本命の候補は、サッスオーロでクロアチア代表のシメ・ヴルサリコ。選手サイドとは移籍について基本合意に達しているものの、クラブ間交渉はまだ継続中だ。
 
 サッスオーロが1400万ユーロ(約19億6000万円)という値札を付けているのに対し、ナポリは「移籍金750万ユーロ(約10億円)+モロッコ代表MFオマール・エル・カドゥーリの保有権」という条件をオファーして合意の道を探っている。
 
 しかしサッスオーロのエウセビオ・ディ・フランチェスコ監督は放出そのものに否定的。「エル・カドゥーリはいい選手だが、問題はヴルサリコほどのSBは他に見つからないことだ。素晴らしいクオリティの持ち主で、足りないのはパフォーマンスの安定性、継続性だけだ。あと1年ここでプレーしてさらに成長してからステップアップすれば、来夏には今の倍の評価額がつくだろう」というのが指揮官のコメントだ。
 
 こうした状況もあって、ナポリのジュントリSDは代替候補の絞り込みに動いていた。そこで浮上したひとりが、日本代表の酒井宏樹(ハノーファー)。
 
 戦術的柔軟性を備えた25歳のSBは日本代表の中心選手のひとり。ブンデスリーガでも60試合以上の出場実績を持っている。獲得にふさわしい選手かどうかの評価・検討が内部で進められている状況だ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事