国立で5アシストをマーク! 青森山田に栄冠をもたらした高性能アタッカーが決勝&準決勝で見せた真骨頂

2022年01月11日 安藤隆人

2年生DFの負傷欠場でロングスローの役割も担う

今大会5つのアシストを挙げ、アシスト王に輝いた藤森。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権決勝]青森山田4-0大津/1月10日(月・祝)/国立競技場

 準決勝で3アシストと大暴れをした右サイドの高性能アタッカーが、決勝の舞台でも2アシストを記録した。

 青森山田のMF藤森颯太(3年)の持ち味は、鋭い縦の突破力と右足のキックの精度にある。インターハイ、プレミアリーグEASTでも、ボールを持ったら迷わず縦に仕掛けてサイドをこじ開ける。彼のジャックナイフのような切れ味のあるドリブルは多くのチャンスを作り出し、コーナーキックやFKからの正確なキックでも多くのゴールを生み出した。
 
 そして今大会、彼には新たな役割が与えられた。これまでロングスローは2年生左サイドバックの多久島良紀が担っていたが、大会直前に負傷し出場できなくなってしまった。そこで白羽の矢が立ったのが藤森だった。ロングスローのセカンドボールを回収してチャンスにつなげる側だった彼が、投げる側に。よりチームにおいて重要な存在となっていった。

 そして今大会、初戦の大社戦ではチームのオープニングゴールは藤森の左CKのこぼれ球から生まれ、2点目、3点目の起点にもなる。3回戦の阪南大高戦でも右サイドからのクロスがオウンゴールを誘発し、貴重な先制点をもたらした。そして準々決勝の東山戦では1-1で迎えた53分に右サイドからニアのストーンに入ったFW名須川真光(3年)に正確なロングスローを送り込み、名須川のヘッドでのすらしをFW渡邊星来(3年)が決めて決勝弾を引き出した。

 冒頭で記したように準決勝は3アシスト。3分の先制弾は左FKからゴールに向かっての日差しを意識して、山なりから落ちるボールをゴール前に供給。飛び込んだ名須川の頭にドンピシャで合わせた。26分には左CKのトリックプレーからフリーになったCB丸山大和(3年)にライナー性のボールを送り込み、2点目。3-0で迎えた後半23分には右サイドを鮮やかに突破をしてマイナスの折り返しを、2年生FW小湊絆が冷静に決めた。

 迎えた決勝戦。前半37分に左CKを得ると、ニアサイドに飛び込んだ丸山にピンポイントクロスを送り込んで先制弾をもたらし、2-0で迎えた後半10分には左サイドのロングスローから、一度はDFに弾かれるも、そのボールにいち早く反応をしてヘッドでゴール前に送り込むと、これをMF松木玖生(3年)がヘッドで沈めて、勝負を決定づける3点目。これで藤森は全試合ゴールに絡み、5アシストで大会アシスト王にも輝いた。

【動画】藤森のCKのクロスから丸山のヘディングシュートで先制!

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