「強いガンバを取り戻す」片野坂新体制のG大阪が始動!目標は3位以内、改善ポイントはどこに?

2022年01月09日 金川 誉

システムは大分時代と同様の3-4-3をベースに考えると明かしたが…

片野坂監督と新加入の選手たち。今季の目標はACL出場圏内の3位以内だ。写真:ガンバ大阪

 2022年のガンバ大阪が、1月8日に大阪府吹田市内の練習場で始動した。昨季は残留争いに巻き込まれ、13位と低迷。今季は大分を6年間率いた片野坂知宏監督を招へいし、新たに土台から作り直すシーズンになる。オンラインで実施されたキックオフイベント後、ガンバ大阪の指揮官として初取材に応じた片野坂監督の言葉には、今季チームが目指す方向性が大まかながら示されていた。

「私の使命は、強いガンバ大阪を取り戻すこと。できることを精一杯、ガンバのために尽くしたい」

 こう語る指揮官は、大分で主に3-4-3のシステムを採用し、GKからの丁寧なビルドアップ、3バックの一角が攻撃に加わっての数的有利の創出、敵のプレスを自陣に誘い込んでのカウンターなど、特徴的なサッカーを見せていた。そのスタイルを、いかに新たなチームに落とし込んでいくのかは、サポーターが最も注目しているポイントだろう。
 
 この日、片野坂監督はガンバでも自身が慣れ親しんだ3-4-3をベースに考えることを明かしていた。一方で「今は正直なところ、まだ3バックか4バックかは決めていない。まずは選手の特徴を把握しないといけない。(大分では)天皇杯で4バックもやりましたし、ガンバ大阪は4バックでやってきているベースもある。システムも大事だと思うんですけど、3(バック)でも4でもどうプレーするかを共有し、理解してイメージを統一することが大事」とも語った。システムは未定だが、指揮官が重要視する部分は変わらない可能性は高い。ボールを大事にしながら、相手の隙を突くポジショニングで攻め込んでいくサッカー、という部分は基本戦術になるはずだ。

 昨季のガンバ大阪は、リーグワースト4位の33得点、同10位の49失点と、攻守でチームの武器を作り上げることができなかった。特に攻撃面では個人の能力に頼った部分が多く、得点力は過去最低に沈んだ。敵将として、その状況を見つめてきた片野坂監督は「強度の部分、戦術共有を徹底するところは、改善の余地がある。選手任せではなく、(戦術の)大枠は示しながら、どうプレーするか合わせながらやっていければ、得点・失点は改善できるんじゃないかと感じています」と、課題解決への青写真を提示した。その上で、ACL圏内の3位以内、勝点60、得点は50以上、失点は40以下という具体的な目標も定めた。
 

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