インテル「今夏の仕上がりチェック」バイエルンの攻勢をなんとかしのいだ守備組織はまずまず安定 & 長友の中盤起用は戦力外のサイン?

2015年07月22日 片野道郎

バイエルンに力の差を見せつけられる。

バイエルン相手に守勢を強いられながら、どうにか1点でしのいだ守備の安定は好材料。新加入のCBムリージョも指揮官が称えるパフォーマンスを見せた。 (C) Getty Images

●インテル 0-1 ○バイエルン@上海(7月21日)

インテル プレシーズンPHOTOギャラリー 

 湿度90パーセントという過酷な条件下での試合は、絶対的なクオリティでもフィジカルコンディションでも上回るバイエルンが終始主導権を握って支配、力の差を見せつけた。
 
 終盤まで0-0のまま試合が進んだのは(決勝点は80分、ゲッツェ)、レバンドフスキとミュラーが決定機をしくじり、さらにラノッキア、ムリージョがゴールライン直前でシュートをクリアする場面があったから。内容的にはバイエルンが明らかに上回っていた。
 
■新加入CBムリージョがポジティブなパフォーマンス
 
 とはいえインテルも、守勢を強いられながら最後のところではバイエルンの攻撃をなんとかしのいで、チームとしての守備組織が安定してきたことを示した。ゲッツェに決勝ゴールを喫したのは、控えメンバーや10代の若手がチームのほとんどを占めた終盤になってから。
 
 新戦力のCBムリージョ(前半40分に軽い筋肉系の故障で交代)は、マンチーニ監督が「パーソナリティがあってフィジカルが強い。いい印象を受けた」と語るポジティブなパフォーマンスを見せた。
 
■システムは4-3-1-2、コバチッチを中盤の底で起用
 
 マンチーニ監督がピッチに送り出したのは、昨シーズン終盤と同様、トップ下にエルナネスを置いた4-3-1-2。そのタレントを高く評価されながら、いまなおポジションが定まらないコバチッチを中盤の底で起用した点が注目される。
 
 指揮官はそのコバチッチについても「よくやったと思う。フルメンバーのバイエルン相手にあのポジションでプレーするのは簡単なことではなかった」とコメントしている。
 
■途中出場の長友は、右インサイドハーフでプレー
 
 マンチーニは右SBにバルサから獲得した新戦力のモントーヤ、左にはプリマベーラ(U-19)から帯同したディマルコをスタメン起用した。
 
 この2人にポジションを塞がれる形でベンチスタートとなった長友は、69分からコバチッチに代わって出場したが、就いたポジションは4-3-1-2の右インサイドハーフ。
 
 これがコンバートを前提とした指揮官の「実験」なのか、それとも戦力として計算していないというサインなのかが気になるところだ。後者の場合には、今後の40日間でベストの移籍先を見出す必要が出てくる。
 
 マンチーニ監督は試合後、「相手は世界最高のチームのひとつ。良いサッカーをするし、世界的なプレーヤーを数多く擁している。我々がそのレベルに達していないのは当然のこと。サッカーの質、結果の両面でここからさらに向上していかなければならない」と語った。
 
文:片野道郎
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事