【夏の仕上がりチェック・ミラン】トップ下争いで本田は現時点で2番手 & 19歳の新鋭・右SBに注目!!

2015年07月21日 片野道郎

前半はリヨンの攻勢を許したミラン。本田は存在感を示すも…。

本田は60分にボナベントゥーラとの交代で出場。ゴールに結びつくプレーを見せたものの、さらに新戦力獲得の噂もあり、今後も厳しいポジション争いは続きそうだ。 (C) Getty Images

○リヨン 2-●ミラン@リヨン(7月18日)
[得点者]リ=フェキル、ラカゼット ミ=ポーリ

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 最初の20分は均衡した状態が続き、ミランもニアングが18分、20分に2度の決定機を得たものの、いずれも決め損ねる。
 
 24分にフェキルの直接FKで先制点を許すと、その後は完全なリヨンのペースになり、ミランは守勢に回って苦しんだ。
 
 両チームのメンバーが大幅に入れ替わった後半15分以降は、ミランもややペースを取り戻し、75分には本田のドリブルでの仕掛けをきっかけに、ポーリのミドルシュートで同点に追いつく。
 
 しかしその5分後、タイミング良く抜け出したラカゼットが勝ち越しゴールを決められ、ミランは1-2で敗れた。
 
■トップ下争いはボナベントゥーラが本田をリード
 
 ミハイロビッチ監督はここまで3試合のフレンドリーマッチで、いずれも4-3-1-2システムを採用している。これは2トップにこだわるベルルスコーニ・オーナーの要請に従った結果だろう。
 
 トップ下のポジションは、ボナベントゥーラと本田が争う形になっており、現時点では前者が一歩リードしている(リヨンでもボナベントゥーラがスタメン出場)。
 
■間に合わせの前線コンビは結果を残せず
 
 ミランは前線の新戦力2人(バッカとルイス・アドリアーノ)とメネーズ、そしてCBサパタの4人がまだチームに合流しておらず、前線の2トップは、本来トップ下のスソ、レンタルでの移籍(ジェノア復帰)も噂に上っているニアングという間に合わせの構成だった。
 
 昨シーズン後半、ジェノアで5ゴール3アシストを決め、CFとして覚醒したかに見えたニアングだが、この日は2度の決定機を決め切れずに無得点。一方のスソはポジションを見出せず、ゲームに入ることができなかった。
 
■収穫は指揮官も認めた19歳の右SB
 
 ミランにとって最大の収穫は、右SBでスタメン出場した19歳のカラブリア。出場した前半45分を通じて、積極的に攻め上がって仕掛け、右サイドを深くえぐって攻撃に絡んだ。
 
 ミハイロビッチ監督も、「図に乗って勘違いさえしなければ、素晴らしい未来が待っているはずだ」と太鼓判を押している。その指揮官が、先輩のデ・シーリオを左サイドに追いやって右SBとして起用したという事実が、期待の大きさを示している。
 
文:片野道郎
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