予選から54ゴールを積み上げた帝京大可児が超攻撃的! 多彩なアタックで旋風を巻き起こせるか?【選手権】

2021年12月30日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「点が入らない時はロングスロー」という飛び道具も

宮内(11番)のスーパーショットも含め、帝京大可児は4ゴールを決めて今治東に勝利した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権1回戦]帝京大可児4-1今治東/12月29日(水)/等々力陸上競技場

 岐阜県予選の5試合で50ゴールを記録した帝京大可児の攻撃力は破壊力抜群だった。

 今治東(愛媛)との選手権1回戦では、立ち上がりからテクニシャン揃いのアタッカー陣が相手プレッシャーをいなし、ボールを失っても素早い切り替えで即時奪回。敵将の谷謙吾監督も「帝京大可児さんの切り替えが速く、なかなか奪ったボールをつなげられなかった」と舌を巻くトランジションで、ゲームの主導権を掌握した。

 それでも序盤は今治東の堅守に手を焼いたが、前半32分には熊澤伶(3年)のロングスローを鈴木淳之介(3年)が頭でつなぎ、最後は日置大翔(3年)がゴールをこじ開けた。「点が入らない時はロングスローを使おう」(仲井正剛監督)という飛び道具があるのだから脅威である。

 先制点でリズムを掴んでから帝京大可児の攻撃は素晴らしかった。ショートパスで狭いスペースを抜けたかと思えば、ロングパスも駆使してダイナミックなアタックも仕掛ける。前半40分に松永悠碁(3年)が裏抜けから相手GKとの1対1を制し、後半3分には宮内俊輔(3年)が、後半36分には三品直哉(3年)がどちらもスーパーミドルを決めるなど、選手たちが軒並みゴールへの意識が高いのも魅力だ。
 
 全国大会初戦でも4得点を叩き込み、これで予選から数えれば積み上げたゴール数は54。魅惑のポゼッションサッカーで崩しにかかり、パスに固執し過ぎず最終ラインの裏を突く。相手に引かれればミドルシュートでゴールをこじ開け、それでも上手く行かなければロングスローという飛び道具もある。超攻撃的な帝京大可児は今大会、多彩なアタックで旋風を巻き起こせる可能性も感じさせた。

 2回戦で対戦する桐光学園も含め、同ブロックには神村学園や帝京長岡もいるトーナメントを勝ち上がるのは容易ではないだろう。ただ、少なくとも、帝京大可児の超攻撃的サッカーは一見の価値があるのは間違いない。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
 
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