【番記者セレクト】FC東京の厳選トピックBEST5|東がリベロ? 奇策ににじんだ長谷川監督の優しさ

2021年12月27日 唐沢裕亮

長友が調布市の長友貴樹市長を訪問

「FC東京は必ずビッグクラブになれる」と宣言した長友。来季のさらなる活躍に期待がかかる。(C)SOCCER DIGEST

 今年も残りわずかとなったタイミングで、改めて2021年シーズンを振り返る企画。今回、取り上げるのはFC東京。番記者ならではの視点で、思い出深いトピックBEST5をセレクトしてもらった。
取材・文●唐沢裕亮(東京新聞)

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【5位】11年ぶりの古巣復帰で実現した「W長友」

 長友佑都が11年ぶりに古巣復帰したことで「W長友」が実現した。といっても、これはホームタウン自治体へのシーズン終了報告会で、長友が調布市の長友貴樹市長を訪問した際の一コマ。今季9位に終わったが、長友は市長に「FC東京は必ずビッグクラブになれる」と宣言。力強い口調と自信に満ちたまなざしに、来季は何かやってくれそうな期待を感じずにはいられなかった。
 
【4位】味スタで出待ちも…

 衝撃度は今年一番だった。10月、日本代表・森保一監督の後任候補に長谷川健太監督が挙がっていると、一部スポーツ紙が報じた。長谷川監督も「ビックリした」と述べ、協会側からの事前の打診を否定したが、今季でクラブを離れるのは既定路線。名古屋とのルヴァンカップ準決勝後、担当記者たちは事実確認のために会場の味スタで大金社長を出待ち。しかし、記者たちの動きを察知した大金直樹社長は別ルートから退出。結局、最終節が終わるまで公の場で口を開かなかった。なしのつぶてに無念さもあったが、ミクシィによる経営権取得で来年2月には社長も交代。一抹のさみしさもある今となっては肩透かしを食らった日々も良い思い出だ。

【3位】坂本広報、クラブを去る

 クラブの現場広報を3シーズン務めた坂本真輝さんが今季限りでクラブを去った。思い出すのが2020年のACL。コロナ禍で当時、日本からの報道陣はゼロで、広報チームの最年少は写真でチームの戦いを記録するというカメラマンの大役も担った。もちろんカメラは素人だが、意外な才能を発揮。カタールの試合会場ではピッチ脇で一緒になった海外のカメラマンから笑われたというエントリーモデルの一眼レフで見事に青赤戦士たちの躍動を活写した。プレーを先読みする力と若さゆえの反射神経の賜か。報道用にも提供された写真は担当記者から感嘆の声が上がるほどで、当然のように各紙を飾った。撮影者としてもクラブに爪痕を残した23歳の今後に幸あれ。
 

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