【W杯本大会|日本のスタメン11人を占う】代表でも“フロンターレ崩し”に期待。左SBは可変対応できる板倉滉

2021年12月27日 佐藤俊

大事なゴールを生む選手は指揮官にとって欠かせない

佐藤氏が想定するW杯本大会での“理想の11人”。

 2022年11月21日に開幕するカタール・ワールドカップ。その時、世界の舞台でベスト8以上を目指す森保ジャパンのスタメンはどんな顔ぶれとなるか。まだアジア最終予選を突破したわけではないが、本大会を約1年後に控えたこのタイミングで、"理想の11人"について識者に見解をうかがった。
文●佐藤俊(スポーツライター)

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 攻撃の3枚のユニットはドリブル、機動力、スピードなど個の特徴がはっきりしている選手。守備は遠藤航をトライアングルの頂点にして、潰しの早さとボール奪取、1対1の強さなど前への守備の強さがポイント。

 4-3-3にしたが、これは田中碧と守田英正の存在と成長があってこそ実現したシステム。状況によってスムーズに適正なポジションを取る田中&守田は、ワールドカップ最終予選のオーストラリア戦で見せたように、攻守においてキーになっていた。機能したシステムをワールドカップで使わない手はない。遠藤―守田―田中の3枚が揃わない場合は、2枚に戻せばいい。

 古橋亨梧がトップに座しているのは、単純に欧州で点が取れており、そのゴールが勝利に繋がっているから。さらに言えば、彼のプレースタイルが欧州の中で非常に活きているからだ。スコットランドリーグ・カップ決勝での2ゴールは、とてつもなく価値があり、大舞台で仕事をする運や勝負強さは、ワールドカップで戦うストライカーに不可欠な要素。そういう大事なゴールを生む選手は指揮官にとって欠かせない。

 また、スコットランドリーグの選手はアジリティに優れる古橋を封じ込めるのに手を焼いている。ワールドカップもセルティックでプレーする延長線上の感覚でできれば、相当な活躍が見込めるし、日本がカウンター戦術しか攻め手がない場合でもスピードがある古橋は相手にとって怖い武器になる。

 三笘薫もユニオンになじんできて、かなり色を出せるようになった。もっと点を取って、カタール・ワールドカップの時は、欧州3大リーグの中堅チームでプレーしているのが理想。伊東純也は、スピードとクロスの精度が高く、今の代表のチャンスメイクに欠かせない。

 このユニットであれば個でもいけるし、連係での崩しも可能。川崎閥の守田、田中、三笘は連係面に問題がなく、トップの古橋は小林悠タイプと考えれば、代表でも「フロンターレ崩し」が可能になり、それがこのチームの攻撃の強みになる。クレバーなドリブラーとアタッカーを両サイドに配置し、中央にストライカー古橋がいる代表の攻撃は、かなりワクワク度が高い。
 

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