【番記者セレクト】横浜の厳選トピックBEST5|大然が若きアタッカーを激励。「『蒲焼さん』おごったるわ」

2021年12月25日 藤井雅彦

先輩ストライカーの粋な計らいで笑顔を取り戻したルーキー

大然の声掛けに救われたという樺山。山形での武者修行を終え、来季は横浜に復帰。成長した姿を見せたい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 今年も残りわずかとなったタイミングで、改めて2021年シーズンを振り返る企画。今回、取り上げるのは横浜F・マリノス。番記者ならではの視点で、思い出深いトピックBEST5をセレクトしてもらった。
取材・文●藤井雅彦(ジャーナリスト)

――◆――◆――

【5位】プロ初ゴールの樺山に対して前田がかけた言葉は?

 高卒ルーキーの樺山諒乃介が4月28日のルヴァンカップ・仙台戦でプロ初ゴールを決めた。しかしアンジェ・ポステコグルー監督(当時)は「フィットネスの部分で45分が限界」と課題を指摘し、前半のみで交代を命じる。ロッカールームで肩を落としていた樺山に、のちにリーグ得点王に輝く前田大然が声をかけた。「ようやった。『蒲焼さん』おごったるわ」。先輩ストライカーの粋な計らいで笑顔を取り戻したルーキーは5月19日のルヴァンカップ・清水戦で2得点と大活躍。「大然くんに救われました」と声を弾ませた。
 
【4位】豪快ミドルを突き刺した松原は「今のところ年イチです」

 5月22日の柏戦で松原健が目の覚めるような豪快ミドルを突き刺し、チームに勝点1をもたらした。日頃から居残りシュート練習に精を出してきた成果で、努力は嘘をつかないことを実証してみせた。これで松原は横浜加入後5年連続でリーグ戦での得点を記録したが「今のところ年イチです。2点目を取る力がない」と苦笑い。松原は来季こそ念願のシーズン2得点目を決められるだろうか。

【3位】"日本代表"MF渡辺の変化

 物静かな印象の強い渡辺皓太に少しずつ変化が。興国高から加入した樺山諒乃介や南拓都、平井駿助はいずれも関西出身でコミュニケーション能力が高く、プレシーズンキャンプ中から彼らとともにクールダウンを兼ねてランニングを行なう姿が見られた。また、愛妻や愛息とともに『YouTubeチャンネル』を開設。新たな試みを続ける姿勢が積極的なプレースタイルにも反映され、シーズン終盤はダブルボランチの一角を担うようになった。さらにそこでのパフォーマンスが認められて来年1月に行なわれる日本代表メンバーに選ばれた。2022年は成長著しい年男(1998年生まれ)から目が離せそうにない。
 

次ページまるで前任者のように静かに腕を組んで練習を見守る

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事