次世代ボランチ、鈴木淳之介(帝京大可児)が管理栄養士さんに聞いてみた! 食事と栄養についての素朴な疑問。【第100回選手権】

2021年12月21日 高校サッカーダイジェスト編集部

補食のタイミングはいつ、何を食べればがよいですか?

鈴木淳之介/すずきじゅんのすけ●2003年7月12日生まれ。岐阜県出身。FC.DIVINE→岐阜VAMOS→帝京大可児。高校2年次に頭角を現わし、昨年12月に湘南入りが内定。今季はU-18日本代表候補にも選出された。

 近年は食育への関心が高まり、3食の食事はもちろん、練習前後の補食に力を入れる育成年代のチームも増えてきた。その一方で漠然とした知識、断片的な情報を元に食事を取っている選手も少なくない。

 高校サッカー選手権への出場を決めた名門帝京大可児高校は、いちはやく生徒の食事に対する意識改革を行なってきた。2020年の夏に「育成年代の食事・栄養」をテーマに講演を依頼したことがきっかけで、株式会社キーマインから、食育についてのサポートを受け、この秋にスタートした同社の新サービス「チームプロ」も先行導入し活用している。

 「チームプロ」は栄養に関する知識やレシピを紹介するだけでなく、スポーツ専門の管理栄養士にLINEを使って簡単に、直接相談できるというサービスで、それぞれ個別に、さらに親御さんまで利用できるというもの。今回は部を代表して、鈴木淳之介選手に登場してもらい、担当栄養士の方へ直接質問をぶつけてもらった。

 来季から湘南でプレーする鈴木選手は、視野の広さを活かした展開力とゴール前に入り込む推進力が持ち味のプレーヤー。ボランチでプレーしているが、以前は線が細く当たり負けするシーンも少なくなかった。しかし、現在は湘南への練習参加を通じてフィジカル面の意識が高くなり、ウェイトトレーニングや食事改革でプロ仕様の身体を手に入れつつある。ただ、食事の取り方やタイミング、栄養について分からないことが多かった。今回はそういった悩みを、栄養士にぶつけられるよい機会となった。

 ピッチ外でも正しい知識を持って取り組むことが選手の未来に繋がっていく。今回の対談で得た知識と情報は鈴木選手にとって、プラスになるモノばかりだったはずだ。

取材協力●帝京大学可児高校、株式会社キーマイン
文・構成●松尾祐希 

 自分はなるべく補食をするようにしていますが、補食について改めてうかがいたいです。

 育成年代の場合、運動するためのエネルギーだけではなく、成長するためのエネルギーも必要になりますので、3食だけでは足りません。エネルギーが不足した状態で練習や試合に挑むと、怪我をしたり、疲労が長引いたり、それから成長しないリスクも。補食を心がけましょう。

 補食のタイミングはいつがよいのでしょうか?

 12時過ぎに昼食、16時から練習だとすれば、その間におにぎりなどを食べましょう。固形物の摂取が難しければ、ゼリー飲料やスポーツドリンクで糖分だけでも摂るべきです。

 練習後は20~30分で自宅や寮に帰れるのであれば、問題ありません。ただ、60分以上空腹状態が続くのはよくないので、遠くから通っている人などは、途中で補いたいですね。そして自宅に帰ってからも食べる。部活の前後でそれぞれ1回ずつが理想的です。

Q 補食する際は何を食べたらよいでしょうか?

 補食の目的は、炭水化物とタンパク質を摂ること。例えば、シャケのおにぎりであれば、お米で炭水化物、シャケでタンパク質が摂取できます。肉まんも同様なのでオススメです。それらがない場合はバナナで炭水化物、乳製品でタンパク質を同時に摂取しても問題ありません。

 エネルギー系のゼリー飲料(炭水化物)だけ、プロテイン(タンパク質)だけなど、どちらかに偏る食べ物、食べ方よりもより効果的です。

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