【三浦泰年の情熱地泰】会食の場で気軽な発言はできない…日本代表の選手選考は本当に難しい

2021年12月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

サッカースクールの懇親会で感じた以前とは違うサッカーへの興味の深さ

サッカースクールで子供たちと汗を流したJFL鈴鹿の三浦監督。

 年末年始はサッカー界オフとなり選手たちも全国いろんな所でサッカースクールなどに参加し育成、普及にも協力する時期でもある。
 
 そんな時期にシーズンが終わっていないチームもある。

 Jリーグでは天皇杯決勝。僕の時代は元旦が決勝であったが、今年は12月19日に浦和対大分で行なわれる。

 そして僕が所属するJFLでは入替戦があり、まだシーズンが終わってないチームがある。地域リーグチームとの大事な試合になる。

 そうなると、その下のリーグにも影響し、関東リーグ1部・2部の入替戦、さらに関東リーグの昇降格を懸けた入替戦も同時期に行なわれる。ここからがシーズンの明暗が分かれる、大事な場面のスタートだ。

 終わりは近づいているのは確かだが、まだサッカーのシーズンは終わっていない。最も重要な時期になる。

 Jリーグは昇格・降格が決まり、J1とJ2は最終節までもつれ込む熾烈な残留争いを展開し、J3は最終節で昇格の2チームが決まった。

 熊本、盛岡がJ2昇格、磐田、京都がJ1昇格。今シーズンの努力が実った瞬間に、おめでとうと伝えたい!
「本当におめでとうございます」

 話を戻そう。

 今まで全国各地で数多くのサッカースクールをやってきた経験があるが、今回は青森の弘前で少年少女のスクールを行なった。

 1時間半の指導と30分弱の写真撮影とサイン。

 スクールそのものは子供たちの元気な顔が見ることができ、それを支える保護者のお父さん・お母さんの嬉しそうな顔が見られるのも良いものであるのは当然だが、昔と違うのはそこで知り合う企画側の指導者、バックアップ側のスポンサーの方々の情熱だ。サッカーへの想いや接し方が、以前とは全く違ってきていることをすごく感じたのだ。

 会食や小さな懇親会などは以前から必ず設けられるものだが、そこで受ける質問内容のレベルがかなり高いことにびっくりした。

 リラックスした雰囲気のランチで、数人でありながらサッカーへの興味の深さ、向上心、好奇心、純粋さをたくさん感じ取れた。

 そんな中でやはり日本代表への興味。海外との違いなどの質問が出た。聞きたい、気になる内容なのであろう。

 特に代表となれば、「国民全員が監督」とブラジルではよく言われるが、日本もワールドカップ6大会連続出場しているだけに、国民も監督目線で注目している。

 選手の起用や招集される選手と、マニアックな目線から今の代表を鋭く分析して「やっさんなら日本代表のセンターフォワードは誰ですか?」なんて素朴でストレートな質問をして来る。

 真剣に答えを探さなければならないが、監督をしている僕が他チームのフォワードを考えなければいけないのは難しく、日本中から好きな選手を選べるという贅沢な遊びだと思えれば良いのであるが、やはり監督なのだ。真面目な答えしかできない。気軽に好きな選手を言うことは出来なかった。
 

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