現役最終戦…大久保嘉人が愛するチームに檄を飛ばす!「話すと3日間くらいかかる」と指摘する内容とは?

2021年12月13日 長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

「自分はどう改善されていくのかなというのを外から見ていく」と大久保

浦和戦が現役最後の試合となった大久保。チームに愛のある檄を飛ばした。(C) SOCCER DIGEST

[天皇杯準決勝]浦和2-0C大阪/12月12日(日)/埼玉

 現役最後の試合は「負けて当然の試合だった」と語るほどに、完敗を認めざるを得なかった。

 天皇杯準決勝でセレッソ大阪は浦和レッズと対戦。序盤から主導権を握られると、28分に今季限りで浦和を退団する宇賀神友弥に先制点を許す苦しい展開に。その後も防戦を強いられるなか、数少ないチャンスを迎えるも活かせず、逆に89分、小泉佳穂に追加点を奪われ万事休した。

【天皇杯準決勝PHOTO】浦和2-0C大阪|漢・宇賀神が先制弾!小泉も続き、浦和が決勝進出!大久保は20年の現役生活に幕
 今季限りでの引退を発表している大久保嘉人は、この試合でスタメン出場。背番号20は、アタッキングゾーンを精力的に動き回りチャンスメイクに奔走すると同時に、ゴール前へ果敢に侵入しては得点を狙った。

 しかしネットを揺らすことはできず、64分で交代。「今日は本当にチームとして何もできなかった」と現役ラストゲームを振り返ると、「負けて当然のゲームで、すっきりしたというか、これでもうやらなくてもいいというか。(相手が)強かったですね」と完敗を認めた。

「これから先、(チームメイトの)みんなはサッカー人生長いので、頑張ってほしい。自分は応援してます」と語った大久保だが、チームの改善ポイントに話が及ぶと、「これを話すと3日間くらいかかる」と言いつつ、堰を切ったように問題点に言及した。

 大久保は、「(改善ポイントは)攻撃のところもディフェンスのところも。J1にいるんだったらもう少しできないと」と述べ、チームが攻守にレベルアップする必要性を訴える。とりわけ口にしたのが攻撃面だ。

「攻撃になったら、どこでパワーを使うべきなのか。浦和レッズは監督が代わってスペインのやり方であれだけ変われた。攻撃の時に誰がどこに立つのか、そこに立ってもボールをもらった後にイメージがなかったら寄っていくとか、スペースを空けるとか。それは攻撃の時もディフェンスの時も、ちぐはぐになって間延びしてやられる。悪循環で、攻撃はセンタリングの時しかワクワクしないというか……。そういうことがこの1年間は多かったので、自分はそこでセンタリングになった時にどう合わせるか。そんなに身長も大きくないので、『先に触らないと』という考えでやっていたが、それだけでは得点も伸びない」

 今季15年ぶりにプロキャリアをスタートさせたC大阪に復帰。思い入れの深いチームではあるが、自身が20年のキャリアの中で築き上げたサッカー観を通せば、まだまだ物足りなさは残る。現役最終戦ながらチームの課題を鋭く指摘した大久保。あとは、「自分はどう改善されていくのかなというのを外から見ていく。本当に応援したいですね」と今後の変化を見守るばかりだ。

取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
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