【湘南】「今日だけは許してやってください」。山口監督が選手を気遣い、監督としての覚悟も示す

2021年11月28日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「良いプレーを見せることができなかったが、選手たちはしっかりやってくれた」

シーズンを振り返り、山口監督はサポーターへの感謝を語った。写真:滝川敏之

 湘南ベルマーレは11月27日、今季最後のホームゲームとなった徳島ヴォルティス戦後にセレモニーを行ない、山口智監督が今シーズンを振り返った。
 
「ファン・サポーターの皆さま、スポンサーの皆さま、湘南ベルマーレに関わるすべての皆さま、今年1年間、温かいご声援ありがとうございました。シーズン前半はコロナ禍で無観客試合が開催され、すごく寂しい試合をした記憶があります。ただ、ここ最近はハリセンを使ってたくさんの応援を僕らに届けていただき、本当に選手たちの力になりました」
 
 山口監督はまず、サポーターへの感謝を述べた。確かに、ハリセンによる応援を導入した33節の横浜FC戦では2-1で勝利と、指揮官の言葉どおり選手の力になったと見て取れる。豊富な運動量を主武器に攻守に高い強度で戦う湘南にとっては、かけがえのない後押しになっただろう。
 
 また、11月23日にはオリベイラが亡くなった。山口監督は目に涙を浮かべながら言葉を紡ぐ。
 
「今週、衝撃的な出来事が起こり、難しい状況でした。でも選手たちは本当に前向きに毎日の練習をしてくれましたし、今日の試合もいつもどおりやろうとしてくれました。でも結果にはつなげられず、非常に悔しい敗戦となり、まだ残留も決まっていません。今日は良いプレーを見せることができなかったですけど、でも選手たちはしっかりやってくれました。今日だけは許してやってください」
 

 突然の訃報に選手たちもメンタルコントトールが難しかっただろう。そこで山口監督は選手を気遣いつつ、監督としての覚悟も示した。
 
「あとひとつ、大事な試合が残っています。また選手たちと一緒に1週間準備をして、今度はアウェーですけど、湘南らしく、やってきたことを出せる試合にしたいです。あと少し、サポート、ご声援、よろしくお願いします。1年間ありがとうございました」
 
 スピーチを締めくくった山口監督は深く頭を下げた。
 
 12月4日、残留争いの大一番となるガンバ大阪戦を迎える。サポーター、そしてオリベイラとともに、J1残留を掴み取れるか。山口監督の采配に注目だ。
 
取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)
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