「大きな悔しさと責任を感じています」仙台の手倉森監督が退任。残り2節は原崎政人ヘッドコーチが暫定指揮

2021年11月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

手倉森氏はフロントスタッフに転向の見込み

「J1残留を逃す事となり辞意を固めました」と語る手倉森氏。写真:田中研治

 ベガルタ仙台は11月23日、手倉森誠監督の退任を発表した。残り2節となったJ1リーグでは原崎政人ヘッドコーチが暫定的に指揮を執る。

 手倉森氏は2008年に当時J2だった仙台の監督に就任。翌年にJ2で優勝しチームをJ1昇格へ導く。2011年の東日本大震災の年にはJ1で4位、翌年はクラブ史上最高の2位で終え、初のACL出場権獲得をもたらした功労者だ。2013年いっぱいで退任し、リオデジャネイロ五輪代表監督や、V・ファーレン長崎を経て今季8年ぶりに仙台へ復帰した。

 しかし、チームは36節を終えて5勝12分19敗の19位で、2節を残してJ2降格が決定した。

 クラブを通じて手倉森氏は以下のようにコメントしている。

「このたび、監督を退任することになりました。震災から10年の節目の年、昨年ベガルタ仙台が苦しい状況に置かれた中、何とか力になれればと監督を引き受けさせていただきました。クラブの立て直し、昨年からの挽回とJ1残留を果たすべく力を注いできましたが力およばずJ2に降格させてしまい、大きな悔しさと責任を感じています。大変申し訳ありません。佐々木社長と共に、クラブ再建を誓い監督を務めてきましたが、J1残留を逃す事となり辞意を固めました。残り2試合、スタッフと選手で来期につながる闘いを期待します。J2降格が決定した今、クラブ再建へ別の形で貢献して参りたいと思います」
 
 また、仙台の佐々木知廣代表取締役社長はこうコメントを発表した。

「手倉森誠監督には昨年末、チーム、クラブ状況が大変厳しい中、監督に就任いただきました。震災から10年の節目の年、フロントとして十分な戦力を提供できなかったこともあり、結果が残せなかったことは大変残念に思っています」

 残り2節を指揮する原崎暫定監督は「湘南ベルマーレ戦の結果をもって、来シーズンのJ2降格が決まり、ヘッドコーチである自分も責任を感じています。手倉森監督の退任を受け、暫定的ですがチームの指揮を執る以上、今シーズンの残り2試合、チームが全力で戦い、未来につながる姿を見せることができるよう尽力します。共に戦ってください。よろしくお願いいたします」としている。

 この一報を伝えたクラブの公式SNSにはサポーターから以下のようなコメントが寄せられている。

「火中の栗を拾うようだったと思う。未来へ始動するポジティブなものだと捉えます。ありがとうございました」
「手倉森監督自体昇格した時も長崎の時も複数年かけてチームを作っていくタイプなのでここでの退任は本当に勿体ないと思います」
「今までありがとうございました。2位になった時の感動は忘れないです」
「この退任は、テグさんの役割が『どういうサッカーを目指すかを考える』から『どういうクラブを目指すかを考える』に変わるんだと捉えています」
「監督を退いてもこのクラブの面倒見てくれることにテグさんの責任を感じました。引き続きこのクラブのことをよろしくお願いいたします」

 クラブによると、手倉森氏は「今後は、フロントスタッフの一員として、昨年のようなチーム編成の遅れなどの轍(てつ)を踏まないよう、チーム強化そして育成へのサポートを通じ、クラブへ貢献いただく」という。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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