【ベトナム攻略の3大ポイント】対角線のクロスを狙い、“カウンターのカウンター”を発動し、セットプレーで仕留める!

2021年11月11日 河治良幸

簡単に勝てると思ってはいけない相手

ベトナムは対角線のクロス処理に難あり。前節の豪州戦で田中(写真)が中盤から飛び込んで先制点を決めたような形も有効だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 最終予選でベトナムは、ここまでの4試合で全敗の最下位となっている。

 ただし、2019年のアジアカップで厳しい戦いを経験した長友佑都が「その彼らが勝点をまだ取れていないのは、ちょっと不思議だなという風に感じています」と語るように、ここまでの結果から与し易い相手と見るのは危険だ。

 実際に、アウェー3試合(2-3で敗れた中国戦はUAEのシャルジャで行なわれた)、ホームはオーストラリア戦の1試合のみというレギュレーションのなかで、内容的に惨敗した試合は1つもない。地の利があるホームのオーストラリア戦は0-1と敗れたものの、決定的なチャンスの数では上回っていた。2位で突破した二次予選ではホームでUAEに勝利しており、日本としても簡単に勝てると思ってはいけない相手だ。

 韓国人のパク・ハンソ監督が率いるベトナムは、5バックをベースに5-4-1と5-3-2を使い分けてくる。長友やGKの権田修一も指摘する通り、徹底的に守備を固めてロングボールからワンチャンスを狙ってくるより、スペースを消しながら中盤でハードなプレスをかけて、ボールを奪ったら積極的にドリブルやグラウンダーのパスで縦に運んでくる。

 5-4-1の場合はFWグエン・ティエン・リンの1トップ、5-3-2なら元水戸のグエン・コン・フォンを前線に加える形となり、攻守の要であるMFグエン・ホアン・ドゥックを軸に試合中のシステムチェンジも可能で、日本側も柔軟に対応していく必要がある。そうした相手の特徴を踏まえたうえで、3つの攻略法をまとめた。
 
 まず、ベトナムは対角線のクロス処理に難がある。5バックが揃っていても可能な限りラインを押し上げてこようとするので、その背後を狙ったクロスに対してはポジションを下げながらの対応になる。3人のセンターバックも空中戦には強くないので、ファーサイドから飛び込んでくるアタッカーをフリーにしてしまうことも多い。

 日本が前回のオーストラリア戦と同じ4-3-3で行くにしても、従来の4-2-3-1で行くにしても、クロスに対するファーサイドからの飛び込みが得点の鍵になることは変わらない。基本は反対側のサイドアタッカーがターゲットになるが、オーストラリア戦で田中碧が中盤から飛び込んで先制ゴールを決めたような形はベトナム戦でも有効だ。

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