【移籍専門記者が深掘り】フィオレンティーナの「サラー問題」 両者はついに全面対決へ

2015年07月06日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

インテルが裏で糸を引く?

こじれにこじれたフィオレンティーナとサラーの関係。クラブ側は「法的措置」も辞さない構えだ。 (C) Getty Images

 フィオレンティーナは、去就についての意思表示の期限までに回答せず、その後にチームを去るという意思を明らかにしたモハメド・サラーに対して、全面対決の姿勢を貫く構えだ。
 
 代理人のラミ・アバスが「フィオレンティーナに残らないという結論を下した。サラーはイタリアの他のクラブでプレーすることになるだろう」と表明したのは7月2日夜。そのクラブがどこなのかについては、今のところインテルだという見方が強い。
 
 いずれにしてもフィオレンティーナは、もしサラーがプレシーズンキャンプへの招集に応じなかった場合には「必要な法的措置」、すなわちローザンヌのスポーツ裁判所への告訴も辞さないというリリースを3日に発表した。
 
 サラー側は、本人の同意がなければレンタル延長は成立しない、という合意を盾に取っているが、フィオレンティーナは、この合意はリーグに提出された契約書には含まれておらず、また合意文書にはフィオレンティーナのサインはあるがチェルシーのサインがないため法的には無効だという立場に立っている。
 
 スポーツ裁判所で争うことになった場合には、残留と移籍、どちらの判決が下ってもサラーに出場停止処分が下る事態は避けられないだろう。
 
 さらにフィオレンティーナは、インテルに対して契約下にある選手に無断で接触して交渉した旨を非難する文書を送り付けており、事態は今後まだまだ動きそう。進展が注目される。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
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