C・ロナウドはゴールに飢えた“殺人鬼”。チームがボロボロでも、試合から消えていても関係ない【コラム】

2021年11月04日 エル・パイス紙

相手ゴールを強襲する狩猟犬へと変貌

試合終盤での重要なゴールを連発しているC・ロナウド。(C)Getty Images

 人の行動を形作るのは、年齢ではない。年齢を意識することだ。ことあるごとに鏡に映る自分の姿を見て、若さをチェックしているだろうクリスチアーノ・ロナウドには無縁の心境に違いない。
 
 しかしその一方で年齢を重ねることで培ったものもある。それはチャンスを伺いながらゴール前で起こりうるあらゆる状況を支配する能力であり、圧倒的な威厳である。かつて躍動感いっぱいにピッチを所狭しと動き回っていたクリスチアーノはインテリジェンス、パワー、衰え知らずの野心を持って相手ゴールを強襲する狩猟犬へと変貌を遂げた。

 逃げていくように時計の針が進んでも気に留めることはない。チームがボロボロの状態でも構わない。ボールに触れずに、プレーにも絡めず、試合から消えていても関係ない。なぜならクリスチアーノは栄光という赤い糸に常に結ばれているからだ。

【動画】エリア外から低弾道ボレー! C・ロナウドがCLアタランタ戦で決めた劇的同点弾
 今シーズンのチャンピオンズ・リーグでその餌食になったのがビジャレアルであり、アタランタだ。ビジャレアル戦ではアディショナルタイムの95分、クリスチアーノはゴール前で自分のところに転がってきたボールをいつものように蹴り込み劇的な決勝ゴールに変えると(マンチェスター・ユナイテッドが2-1で勝利)、ありったけの怒りを込めて叫んだ。

 クリスチアーノはサッカー史上最もゴールに飢えた殺人鬼なのだ。

文●ホルヘ・バルダーノ
翻訳:下村正幸

【著者プロフィール】
ホルヘ・バルダーノ/1955年10月4日、アルゼンチンのロス・パレハス生まれ。現役時代はストライカーとして活躍し、73年にニューウェルズでプロデビューを飾ると、75年にアラベスへ移籍。79~84年までプレーしたサラゴサでの活躍が認められ、84年にはレアル・マドリーへ入団。87年に現役を引退するまでプレーし、ラ・リーガ制覇とUEFAカップ優勝を2度ずつ成し遂げた。75年にデビューを飾ったアルゼンチン代表では、2度のW杯(82年と86年)に出場し、86年のメキシコ大会では優勝に貢献。現役引退後は、テネリフェ、マドリー、バレンシアの監督を歴任。その後はマドリーのSDや副会長を務めた。現在は、『エル・パイス』紙でコラムを執筆しているほか、解説者としても人気を博している。

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙に掲載されたバルダーノ氏のコラムを翻訳配信しています。

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