中山雄太と菅原由勢、仲の良い両SBが意地をぶつけ合った73分間。「マッチアップできて楽しかった」【現地発】

2021年10月31日 中田徹

2点のビハインドをAZが逆転

同サイドでマッチアップした菅原(左)と中山(右)。(C)Getty Images

 10月30日のエールディビジ第11節、AZ対ズウォーレは、2点のビハインドを負ったホームの前者が3‐2の大逆転勝利を収めるスリリングな試合になった。AZの右SB菅原由勢とズウォーレの左SB中山雄太も駆け引きとマッチアップを繰り返し、お互いの意地をぶつけ合った。

 立ち上がりはズウォーレのプレスがAZを苦しめ、5分、13分と左ウイングのミーズ・デヴィトが連続ゴールを決めて、あっという間に2点をリードした。しかし、AZは左右の大きな揺さぶり、早いパスワーク、個人技を織り交ぜてペースをつかみ、前半のうちに2-2に追いつくと、52分にはCFのヴァンゲリス・パブリディスが波状攻撃から逆転弾を叩き込んだ。

 ここまでの52分間を、中山は「最初はハマってました。しかし、AZの引き出しは多かった」と振り返った。

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 リードされたズウォーレは62分に交代カードを切って、ボール保持時に4トップにする攻撃的システムを採用してから反撃開始。ポジションをSBからMFに移した中山は、左SBのケネス・パール、左ウイングのデヴィトと執拗にサイドを突き、AZの右サイドを苦しめた。そして、73分にAZの右サイドの2人、菅原とアルベルト・グドムンドソンをベンチに追いやった。中山は78分までプレーした。

 その後のパワープレーも実らず、最下位のズウォーレは勝点を取れなかった。しかし、開幕の頃と比べるとチーム状況は上向いている。2週間前のPSV戦は1‐3と最終的には2点差をつけられたが、83分までリードするなど強豪を苦しめた。そして前節のヘラクレス戦で待望の今シーズン初勝利を1-0で飾り、カップ戦では中山の先制弾を含む4ゴールで2部のデフラーフスハプを破った。

「最下位ですが、確実に良くなっている。別に悲観的になることはない。根拠となるものがあるので、これを続けていけば問題ない。2点先制したのを逆転されたので、反省する点はたくさんありますが、落ち込む必要はないです」(中山)

 多機能選手として知られる中山だが、今シーズンのズウォーレでは、日本代表と同様に左SBとしてプレーする機会が多い。今はこのポジションに軸足を置いているのだろうか? 本人は「任されたポジションをやるというのは変わらないです」と語る。

「どこを任されても、結果と成長を求めて全力でやっていくことで先につながる。一つ言えるのは、ズウォーレでやっていることと代表でやっていることがつながっているというのは大きいと思います。ただ、それは結果なので。(熟考後)僕自身、監督には『(MFでもDFでも)どっちでも良いです』と言っていますし。サイドバックなら、チームと代表がつながってきますが、中盤に入っても特に問題なくやっています。どこをやれと言われても、やれる自信と前向きな気持ちはあります」

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