前回選手権覇者・山梨学院が県決勝へ!FW茂木イファインがポルトガル武者修行でスケールアップ

2021年10月31日 安藤隆人

青森山田との決戦を経験した茂木が、準決勝の日本航空戦で今予選初スタメン

山梨学院FW茂木が予選初スタメンとなった日本航空戦で躍動。チームは決勝進出を決めた。写真:安藤隆人

 昨年度の王者があとひとつで代表権を掴むところまでやってきた。第100回全国高校サッカー選手権大会山梨県予選準決勝第1試合で、山梨学院がライバルである日本航空を3−0で下して決勝進出を果たした。
 
「昨年度に全国優勝できたのも、その過程で強いチームと戦って勝ち上がってきたからこそだと思うんです。なので、今大会も初戦の笛吹は県1部リーグですし、準々決勝は帝京第三、今回は日本航空と全国経験のある強いチームとの戦いをこうして勝ち上がっていくことがチーム力の向上に繋がっていると思います」

 試合後、長谷川大監督が語ったように、帝京三戦は0-0のままPK戦までもつれ込む接戦だった。この山場をPK戦の末にものにしたことで、チームに勢いがつき、今回の3得点につながった。

 この試合で躍動をしたのが昨年度の優勝経験者であるFW茂木イファイン(3年)だった。スピードとフィジカルの強さを駆使して前線で躍動を見せたことは記憶に新しいが、この試合が今予選初スタメンだった。

 決して調子を落としていたわけではない。ポストプレーなどを駆使して前線で起点を作ることができる3年生のFW小島慈央とFW佐竹祥太が成長したことで、「相手によって組み合わせを変えられるようになった」(長谷川監督)ことが要因だ。

 相手との噛み合わせを考慮してのベンチスタートだったが、それでも本人からすれば悔しい気持ちがあるのは当然のこと。彼はこの試合、巡ってきたスタメンのチャンスをものにすべく、立ち上がりから積極果敢にゴールを狙った。

 前半9分の先制弾は右サイドでボールを受けた茂木が一気に加速をしてペナルティエリア深くまで侵入し、マイナスに折り返したボールを小島が冷静に押し込んだもの。幸先よくアシストを決めると、今度は自分が決める番と言わんばかりに、同19分には左サイドを突破したMF山口宇汰のこぼれ球に反応し強烈なミドルシュートを放つ。さらに同29分にはDF小川玲のパスを受けてカットインからシュート。どれもわずかに枠の外だったが、ボールを持ったら「仕掛ける、狙う」という積極的な姿勢は相手にとって脅威となっていた。

 後半に入ると、立ち上がりから攻め手を強めた日本航空の前に後手に回る時間帯が続いたが、この嫌な流れを断ち切ったのも、やはり茂木だった。

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