【U-22日本代表】中島翔哉――覚悟を決めた手倉森ジャパンのメインキャストが特大の輝きを放つ予感

2015年06月30日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「日本を勝利に導くゴールを決めなければいけない」

待望のJ1初ゴールを決め、さらに自信を深めている中島。掴んだ手応えを代表戦のピッチでも表現できるか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 楽しみたい――。
 
 もはや中島翔哉の代名詞と言ってもいいフレーズだ。コスタリカ戦に向けても、その軸はまったくブレていない。
 
「まずは自分が楽しんで、そのうえでゴールやアシストがついてくればいい。楽しまないと、自分は良いプレーができないので。そこに集中したいです」
 
「楽しむこと」がこの男の揺るぎない流儀だが、常に上を目指している姿勢もまた、中島を語るうえで欠かせない側面だ。
 
 J1リーグの第1ステージ16節・鳥栖戦で、中島は待望のJ1初ゴールを挙げた。
「チームメイトも寄ってきて喜んでくれた。すごく嬉しかった」
 
 喜びは当然ある。しかし、そこに浸るのはほんのわずかな瞬間。鳥栖戦のゴールを振り返れば、「あれでもまだまだプレースピードが遅い。トラップするまでも遅かった。より高いレベルになれば、(ゴールは)難しいんじゃないかと思います」と満足はしていない。
 
 どこまでも貪欲――飽くなき向上心も、中島の原動力になっているのだろう。
 
 その"より高いレベル"のひとつであるリオ五輪出場に向け、コスタリカとの強化試合に挑むU-22代表で、中島は重要なチャンスメーカー、あるいはフィニッシャーとしてかかる期待は大きい。
 
 本人も「自分に求められているのは、ゴールだったり、アシストなので」と自覚している。もっと言えば、「活躍しなければいけないと思う」という強い責任感がある。
「日本を勝利に導くゴールを決めなければいけない」と覚悟を決めている。
 
 1次予選からの攻撃面の改善点については、こう語っている。
「1次予選の時はミスが多かった。簡単なミスを減らして、できるだけ多くのチャンスにつなげたい。ビルドアップの段階でのミスを減らせれば、チャンスは増えると思います」
 
 最終予選に向け、攻撃面のグレードアップが本格化するなか、U-22代表もハリルジャパンと同様、少ない手数で連動しながら、縦に速く仕掛ける攻撃がひとつのオプションとなる。
 
 そうしたスタイルを中島は歓迎しているようだ。
「(FC)東京でのサッカーも、カウンターというか、そういう攻撃が多いので慣れていますし、世界のサッカーは速いから、それに自分たちも追いついていきたい」
 
 目指すのはクラブでも熟知するサッカーだ。
「やっていて楽しい。試合になればもっと楽しいんじゃないかなと思います」
 
"楽しまないと良いプレーができない"男は、コスタリカ戦でも特大の輝きを放ってくれそうだ。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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