「自分が見たいサウールを見たい」なぜスペイン代表MFはアトレティコを離れるのか?本人が明かす“行き詰まり”

2021年09月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

「この2年間、みんなが見てきたサウールではなく…」

不慣れなポジションでの起用が続く苦悩を明かしたサウール。(C)Getty Images

 移籍市場最終日の8月31日、突如発表されたサウール・ニゲスのアトレティコ・マドリーからチェルシーへのレンタル移籍。方々から驚きの声が上がるなか、本人が電撃発表の直後に『Twitch』でその舞台裏を語った。スペイン紙『Marca』が伝えている。

 アトレティコの下部組織出身のサウールは、左足の確かな技術、複数のポジションをこなせるユーティリティ性やサッカーIQの高さなど、数多くの武器を生かし、ディエゴ・シメオネ監督のもと、長年に渡り活躍。だが、チームが7年ぶりのリーグ制覇を成し遂げた昨シーズンは深刻なスランプに陥り、チーム内での序列も低下していた。

 そのなかで下した、少年時代から在籍するクラブを離れるという決断。スペイン代表MFは、今シーズンは開幕から左SBとして出場するなかで、自分の望むポジションでプレーできなかったことが大きな要因だと明かす。
 
「自分のポジションについて、チョロ(シメオネ監督の愛称)と何度か話をしたよ。なぜなら、今だけではなく、3年前からこのような状態になっているからね。

 チェルシーは僕のポジションでトレーニングすることを約束してくれたが、どうなるかは分からない。行ってみて、体験してみて、どうなるか見てみたい。そして自分を見つけて、自分が見たいサウールを見たい。この2年間、みんなが見てきたサウールではないものをね。自分の力を発揮できないことが悔しかったんだ。行き詰まりを感じていたので、今は解き放たれたい」

 ただ、唐突な別れとなってしまったことで、心残りもあるようだ。

「ファンのみんなに別れの挨拶ができないのは残念だ。もし、最後だと分かっていたら、別の方法をとって、自分の気持ちを伝えていたと思う。あの日も、3日前(ビジャレアル戦)も、そして昨日も、僕は残ることになっていた。全ては今日決まったんだ」

 新天地は選手個人の能力が非常に高い、チャンピオンズ・リーグ王者。「簡単にはプレーできないだろうが、自分の気持ちを込めて戦えばできるはずだ」と決意を示す26歳は、本物の自分を見せることができるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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