開幕3連敗と低迷するアーセナルはなぜ、冨安健洋を獲得したのか? 現地メディアが見解

2021年09月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

「アルテタが個人的に獲得をプッシュ」

アルテタ監督(右)は冨安の万能性と適応能力を高く評価しているという。(C)Getty Images

 現地時間8月31日、欧州主要リーグの移籍市場最終日に、セリエAのボローニャに所属する日本代表DF冨安健洋の、プレミアリーグのアーセナルへの完全移籍が発表された。

 契約年数などは明らかにされていないが、現地メディアによれば4年間+1年の延長オプション付き。背番号は「18」になることが発表されている。

 今夏にプレミアリーグの複数のクラブから関心が寄せられていた冨安だが、最有力候補と思われたトッテナムではなく、アーセナルへの加入が決まった。移籍金はボーナス込みの2300万ユーロ(約28億7500万円)で合意しているとされる。

 アーセナルは今夏、現地通貨で1億5000万ポンド(約195億円)を補強に投入。DFで言えば、冨安はベン・ホワイト、ヌーノ・タバレスに続く3人目だ。

 現地メディア『football.London』は、「彼を知らないファンもいるだろうが、トミヤスはアーセナルにとって重要なパーツになる可能性を秘めている」と伝えている。

「このクラブは今シーズンのプレミアリーグで3連敗し、最下位となっている。すでに9失点していることから守備の立て直しは急務だ。だからこそ、冨安にはDF面での活躍が期待される。彼はDFとして3人目の補強であり、エクトル・ベジェリンをアップデートしたようなプレーヤーだ。主にCBと右SBをこなし、身長は6フィート2インチで、強くて速い。万能であることはこれまでにも証明されている。昨シーズンの守備的デュエルの成功率は63%だったが、CBとしてプレーしていたときは66%に近かったという」
 
 また、「確かにクロスやボールを多く入れるタイプの選手ではない」としつつも、「その能力はチームに大きく寄与するとアルテタは信じている」と獲得に踏み切った理由にも言及している。

「ボローニャでの最終戦でのパスマップを見てもわかるように、彼はDFの中央にいても、サイドにいても、両足を使って広い範囲にパスを出し、チームが快適にプレーできるように働くことができる。この試合では左右両方のSBとして起用され、両方の役割を見事にこなした。相手のファイナルサードに9本のパスを出して、100%の確率で成功させている」

 さらに、獲得にはミケル・アルテタ監督の"プッシュ"があったという。

「冨安の適応力の高さは、アルテタが彼を高く評価し、個人的に移籍の実現を後押ししていた理由の一つだ。彼がこれまでに見せてきた高いレベルでのパフォーマンスをプレミアリーグで発揮することで、今後数年間のアーセナルのキープレーヤーになることが期待されている」

 アーセナルはリーグ開幕から新型コロナウイルスに感染した選手が何人も欠場するなど、波乱の幕開けを迎えた。3連敗でリーグ戦最下位という状態で迎えるのは、代表ウィーク明けの9月11日にエミレーツスタジアムで行なわれる第4節ノーリッジ戦だ。

 果たして、冨安は低迷するクラブの救世主となれるだろうか。一刻も早いデビューが待たれる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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