浦和は黄金期を取り戻せるか? いつも「始まりの一歩」だったルヴァン杯と「アジアへの架け橋」天皇杯をプレビュー!

2021年09月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

ルヴァンカップの準々決勝・川崎戦突破のポイントは…

ルヴァンカップでも得点を量産するユンカー(左)。リカルド・ロドリゲス監督体制下での初タイトルに挑む。写真:徳原隆元

 いつも「始まりの一歩」だったタイトルと、アジアへの思いをつなげる戦いに浦和レッズが臨む。9月5日には、ルヴァンカップの準々決勝第2戦で川崎フロンターレと対戦する。

 浦和にとってルヴァン杯は、2003年に前身のヤマザキナビスコ杯だった当時に、クラブ初タイトルを手にしたレッズ史の中でも重要な大会だ。ハンス・オフト監督によりベースを形作られたチームがタイトルを手にして自信をつけたことが、翌年からの黄金期につながる。このタイトルをきっかけにチームは強化が進み、06年にはリーグ優勝を果たして翌年にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)制覇でアジアの頂点に立った。

 その後、一時低迷したチームが立て直し、リーグ屈指の強豪に成長したものの、タイトルにあと一歩手が届かなかったなかで16年に2回目の優勝。すると、17年には2度目のACL制覇を成し遂げ、18年には天皇杯を獲得した。浦和にとってルヴァン杯の優勝はタイトル街道への「始まりの一歩」なのだ。

 今季のグループステージでは、リカルド・ロドリゲス監督が新たに就任したチームだけに多くの選手を起用しながら戦術の浸透を図った。若手選手を積極的に起用し、プロ契約前で2種登録だった工藤孝太がプロデビューするなど、未来への投資も行ないながら1位で突破を決めた。そして、ラウンド16ではヴィッセル神戸を相手に競り勝つ。

 そして、準々決勝では難敵の川崎と激突。第1戦は、連戦で調子を落としていたキャスパー・ユンカーをベンチ外にして、江坂任と小泉佳穂を前線に並べる奇策に出た。すると、これが課題になってきたマイボール時の距離感が改善されることにつながり、サイドハーフの関根貴大や汰木康也のスピードや突破力も引き出した。

 先制に成功したもののPKで追いつかれた引き分けはもったいないものだったが、ロドリゲス監督は「江坂が前線に入るのは、また一ついいオプション。コンビネーションのところや、彼にボールが入ったときにゲームの流れが止まることなく連続したプレーがつながっていく、そういった彼の良さがある。そして、ディフェンスのところでは前からプレスをかけていくことができる選手」と、初戦の手応えを話した。

 その上で指揮官は第2戦に向け「我々としてはゴールを奪って、そして勝って突破していければと考えている。もちろん2点を取れば引き分けでも良いが、考えるべきことは初戦にできたことをさらに良くしてゴールを奪い、しっかり勝ちきって次に進むこと」と、意欲を示した。敵地に乗り込む第2戦では、復帰の可能性が高いユンカーも含め、攻撃陣がプレッシャーを与えていきたい。

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